新型コロナウイルス感染症をきっかけに、2020年度の利用者が大きく減少した鉄道各社。
小田急も例外ではなく、2020年度は全ての駅で1日の平均乗降人員が減少する事態となりました。

ウイルスとの付き合い方が徐々に分かり、ワクチン接種も進んだ2021年度は利用者が増加に転じていますが、どのような傾向が見られるのでしょうか。

利用者数が大きく落ち込んだ2020年度

2021年度の傾向を見る前に、まずは2020年度のおさらいをしてみたいと思います。
大学の最寄駅を中心に利用者の落ち込みが大きく、減少率に表れていました。

以下は2020年度に減少率が大きかった駅を1位から10位まで並べたもので、括弧内が減少率となっています。

10位:生田(-35.9%)
9位:愛甲石田(-36.5%)
8位:六会日大前(-37.6%)
6位:向ヶ丘遊園(-38.5%)
6位:新宿(-38.5%)
5位:小田急多摩センター(-38.9%)
4位:参宮橋(-39.5%)
3位:玉川学園前(-42.3%)
2位:梅ヶ丘(-42.7%)
1位:東海大学前(-52.7%)

大きな大学の最寄駅が多く、東海大学前のように半減してしまった駅もあります。
詳しくは以下の記事をご覧下さい。



公開されたデータを確認した際には、その影響の大きさに驚かされました。
元には戻らない可能性が高いとはいえ、最近は利用者も増えてきており、その点では一安心というところでしょうか。

2021年度に利用者数が大きく増加した駅

回復基調となった2021年度は、全ての駅で前年度より1日の平均乗降人員が増加しました。
駅によって異なるものの、2020年度の落ち込みが大きかった駅は、増加率も大きい傾向となっています。

早速ですが、増加率の大きかった駅を1位から10位まで見てみましょう。
括弧内は増加率となります。

10位:成城学園前(13.8%)
9位:下北沢(16.6%)
8位:経堂(18.6%)
7位:小田急多摩センター(19.3%)
6位:片瀬江ノ島(20.8%)
5位:生田(25.1%)
4位:玉川学園前(28.1%)
3位:六会日大前(31.5%)
2位:東海大学前(35.1%)
1位:梅ヶ丘(40.1%)

このような結果となり、2020年度に減少率の10位以内だった駅が六つ入る結果となりました。
上位ほどその傾向が強く出ており、トップ5は全ての駅が当てはまります。

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2021年度になり、対面での講義が再開されたのか、大きな大学の最寄駅で回復傾向が鮮明となっていました。
他に興味深いのは片瀬江ノ島で、2020年は海の家が設置されませんでしたが、2021年は設置されたため、海水浴客の影響が反映されたものとみられます。

それ以外の駅は、やはり大学の最寄駅が多く、下北沢も学生が乗り換える駅という点で当てはまりそうです。
学生の動きが止まる影響は大きく、数値に表れやすいということなのでしょうね。

おわりに

利用者数は回復傾向とはいえ、最終的に元の水準まで戻ることはないといわれています。
変化した利用動向に小田急はどのように向き合っていくのか、これからも一人のファンとして見守り、応援していきたいと思います。