ケイプアイボリーにロイヤルブルーの帯を巻く最後の形式となり、現在も多くの編成が最前線で活躍している小田急8000形。
車齢が40年に到達しようとしている編成も多く、長寿形式となるのは確実な状況となっています。

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まだ本格的な廃車が始まっていない8000形ですが、最終的にはどれぐらいの長寿形式となることが想定されるのでしょうか。

車齢が40年に迫りつつある8000形

後輩の1000形が次々に廃車となっていく中、8000形には18両しか廃車が発生していません。
リニューアル後も界磁チョッパ制御のままだった編成と、踏切事故で損傷した8264Fが廃車となりましたが、それ以外の編成は現在のところ全て元気に活躍を続けています。

8000形は1982年の終わりに登場した車両で、デビューからは40年近くが経過しています。
現在の最古参は1983年の終わりに登場した8252Fで、最も新しい編成ですら1987年の終わりに竣功しており、既に35年近くに達しています。
小田急でこの車齢の形式が142両も在籍しているのは珍しく、かなり長生きな車両となりつつあります。

長く活躍することができている背景には、製造段階からの腐食対策と、徹底的に行われたリニューアルがあります。
8000形は普通鋼製の車体を採用していますが、屋根や雨樋、床板等にはステンレスが使われており、雨水の侵入による腐食を避けるために、側面の下降窓はアルミニウム製のユニット窓とされました。
2002年度から開始されたリニューアルでは、2編成を除いて足回りが一新されており、主要機器だけを見れば3000形や4000形と同世代の車両となっています。

どれぐらいの長寿形式となるのか

まだまだ元気に走れそうな8000形ですが、前述したとおり車齢は40年を超えようとしており、いつ本格的な廃車が始まってもおかしくはありません。
先代の5000形には、4両を中心に長生きをした編成が多く存在しますが、それでも41年程度となっていることから、8000形の多くはこれを超えてくるでしょう。

小田急が車両を置き換えるペースは、1年に30両から40両程度のようなので、継続的に廃車が進められた場合、全編成を廃車するには4年ほどを要するとみられます。
リニューアルが早い時期に行われた編成を優先し、今すぐに廃車が開始された場合でも、45年近く走ることになる編成が出てくる可能性は高いと思われます。

すぐに置き換えを開始したとしてもこれですから、他の形式を先に廃車するようなことや、5000形の増備を中断するようなことがあれば、50年近く走るような編成が出現する可能性もあります。
可能性はほとんどないと思われますが、地方の私鉄等に譲渡されるようなことがあれば、さらに長生きをするようなこともありえます。

いずれにしても、既に形式全体での平均的な車齢は、小田急の歴史上で最長となることが確実で、時間をかけすぎたともいわれるリニューアルは、長寿命化に間違いなく寄与したといえそうです。

おわりに

車齢が40年に到達しようとする中、現在も最前線で活躍する8000形。
さすがに先が見えてきた気もしますが、少しでも長く活躍できることを願うばかりです。