ダイヤ改正の実施に合わせ、2008年3月15日に導入された小田急グループのブランドマーク。
車両の前面や側面は当然のことながら、駅等の施設にも掲出されているため、目にする機会は多いのではないでしょうか。

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丸みを帯びた三角形の形状が印象的なブランドマークですが、これは何を表現したものなのでしょうか。

2008年に導入されたブランドマーク

現代ではすっかり見慣れた小田急のブランドマークは、2008年3月15日に導入されました。
同日はダイヤ改正の日で、新型ロマンスカーの60000形(MSE)が営業運転を開始し、箱根登山線内が4両化される等、話題の多い日でもありました。



それまではシンプルだった車両の外見は、ブランドマークの導入によって急に賑やかになり、当時は様々な声があったと記憶しています。
見る機会が増えたことや、新しい車両には馴染んでいたことから、時間の経過によって慣れたことを思い出します。

ブランドマークは何を表現しているのか

どこの会社もそうでしょうが、導入されたブランドマークには様々な意味が込められています。
現在は前提が変わっている部分もありますが、当時のものとして順番に見ていきたいと思います。

当時の小田急は、グループの事業ビジョンを「Value Up 小田急」としており、その中で掲げられていた「小田急グループの提供価値」がもとになっています。
ブランドマークには、「豊かな沿線環境のもとに、自然・歴史・都市文化の新しい融合、豊かな生活の創造、より多くの上質と感動を提供していく小田急グループ」が表現されており、これは現在も変わりません。

そして、小田急グループの提供価値は、以下の三つの価値に分類されています。

機能的価値:安心、便利、快適
情緒的価値:上質、感動
環境的価値:沿線エリアに広がる都市と自然の恵み

これらの三つの価値からは、小田急の基礎となる四つのキーワードが導き出されます。

真摯:真面目で熱心なこと(機能的価値)
進取:自ら進んで物事に取り組むこと(情緒的価値)
機知:臨機応変に対応すること(情緒的価値)
融和:溶け込んで調和すること(環境的価値)

いよいよ難しくてよく分からなくなってきますが、小田急というブランドの根底にはこれらがあるということのようです。
小田急という会社を見ていくと、確かにこれらの四つに通じる部分を感じることは多いように思います。

これらの要素を基にデザインは起こされており、丸みを帯びた三角形はOdakyuの「O」をモチーフにしています。
「O」には小田急が目指すべき姿勢として、躍動感、先進性、お客さまとのつながりの三つが集約されているとのことなので、三角形にはこれらの要素が表現されているのでしょう。
メインカラーには、利用者に長年親しまれてきたブルーが使用され、それまでの小田急が持つイメージもしっかりと継承されています。

私自身はデザインに関する専門的な知識がないため、深い部分についてはよく理解できていません。
公表されている内容は抽象的な表現が多いですが、一つ一つは確かに小田急らしさに通じているような印象もあり、深掘りしていくと面白いのかもしれませんね。

おわりに

導入から10年以上が経過し、かなり身近な存在となった小田急のブランドマーク。
車両に掲出された際はうるさく感じましたが、デザイン自体はシンプルで落ち着きがあり、小田急には合っているようにも思います。