地形的な制約を避けるため、鉄道には道路と同じようにトンネルが設けられることがあります。
そこまで数は多くないものの、小田急にもトンネルがいくつか存在し、それぞれに名前が付けられています。

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普段小田急を利用していても、トンネルのことを気にする機会はほとんどないと思いますが、名称や長さはどのようになっているのでしょうか。

各路線に点在する小田急のトンネル

東京都と神奈川県に路線網を持つ小田急には、現在三つの路線があります。
それぞれの路線にトンネルが存在し、近年は複々線化によって地下化が行われたことで、全体の数が増加しています。

2022年現在では全線で20ヶ所とされていますが、内訳についてはよく分かりません。
小田原線と江ノ島線にある上下線が分かれるトンネルを2ヶ所としてカウントし、下北沢付近も線路別で4ヶ所、成城学園前を1ヶ所でカウントすれば合いそうですが、実際のところはどうなっているのでしょうか。

20ヶ所を推測で当てはめると、以下の内訳となりました。

・新宿~南新宿(1ヶ所)
・代々木上原~梅ヶ丘(4ヶ所)
・成城学園前(1ヶ所)
・新百合ヶ丘~柿生(1ヶ所)
・鶴川~玉川学園前(2ヶ所)
・東海大学前~秦野(2ヶ所)
・渋沢~新松田(4ヶ所)
・善行~藤沢本町(2ヶ所)
・黒川~はるひ野(1ヶ所)
・はるひ野~小田急永山(2ヶ所)

地形に合わせて掘られたトンネルは全線で13ヶ所あり、小田原線が8ヶ所、江ノ島線が2ヶ所、多摩線が3ヶ所となります。
前述のとおり、上下線を別でカウントした場合の数となるため、本来の意味では小田原線が4ヶ所、江ノ島線が1ヶ所、多摩線が3ヶ所という表現が正しいでしょう。

トンネルの名称と長さ

新しくできたトンネルについては詳細が不明なものの、1983年に発行された小田急の会社要覧内に、トンネルの名称と長さが記載されています。
それぞれのトンネルの名称と長さは、以下のとおりとなっています。

新宿(新宿~南新宿):238.00m
境塚(鶴川~玉川学園前):231.34m
秦野(東海大学前~秦野):351.04m
第1菖蒲(渋沢~新松田):492.86m
第2菖蒲(渋沢~新松田):60.35m
藤沢(善行~藤沢本町):170.99m
黒川(黒川~はるひ野):207.00m
諏訪(はるひ野~小田急永山):345.00m
永山(はるひ野~小田急永山):429.00m

新宿については、この時期に二度目の改良工事が終わっているため、長さが変化している可能性がありますが、他は当時と変わっていないと思われます。
また、名称については不明ですが、新百合ヶ丘から柿生の間で多摩線の下を通るトンネルは、長さが95.87mとなっています。

おわりに

開業時から存在するもの、地下化等によって加わったもの、小田急には様々なトンネルがあります。
建設された時期によって様々な形態をしており、それらの違いを比べてみるのも面白いかもしれませんね。