1000形のリニューアルが途中で中止となり、現在は3000形のリニューアルが行われている小田急。
近年の小田急では、新車に近付けるような徹底的なリニューアルが行われてきましたが、3000形ではそういった方針にも変化が見られるようです。
従来の車両に対して徹底的なリニューアルを行う方針が変化し、5000形の新造が行われるようになった背景を考えてみたいと思います。
通勤型車両においては、2600形から内装にも手が加えられる部分が増加し始め、5000形や9000形では内装のイメージを変更するような内容へと変化していくこととなります。
修繕内容が多岐に渡るようになる中、いつしか対外的にはリニューアルという表現が用いられるようになり、更新後の車両は当時の新車に近い水準へと一新されていきます。
そして、車体と内装にほぼ限られていたリニューアルは、8000形の3本目から足回りも含めたさらに大規模なものへと変化し、当時の新車である3000形に合わせられるようになりました。
8000形で最大規模となったリニューアルは、1000形においても方針が継続され、車体の基本的な部分以外は全て一新されているような、そんな仕上がりとなっています。
登場から25年程度が経過してからのリニューアルであり、いつまで使うのかという点も気になるところですが、サービスの向上と長寿命化を狙った方向性だったといえるでしょう。
5000形の増備により車両に余剰が生まれる中、元々リニューアルの対象外だったワイドドア車ではなく、ノーマルドアの1000形に廃車が発生したのです。
ワイドドア車以外の全車がリニューアル予定とされていた1000形でしたが、この廃車によって計画変更が発生したことが明るみになりました。
リニューアルの計画が変更となった理由は明らかにされていませんが、長期化する工期や、ホームドアの導入が影響した可能性が高いとみられます。
車両の世代交代や8000形のリニューアルが済んだ結果、TASCとの相性が悪い電磁直通ブレーキはほぼ1000形のみの装備となり、ホームドアを本格的に導入していく際の障壁となりつつありました。
しかし、1000形のリニューアルが中止となった理由は、それだけではないとも考えられます。
2000形や3000形の初期車を飛ばして、現在は3000形の3次車以降にリニューアルが行われており、その内容が以前よりも簡素化されているとみられることからも、その背景が見えてきます。
今後もリニューアル自体は行うものの、全ての車両を対象にするのではなく、必要な車両に対して、必要な内容のみに絞って行っていくという方針が、現在の状況からは分かります。
方針が変更となった理由には、コストの問題が関係していると考えられます。
きちんとしたメンテナンスを行うことで、昔の車両は古い機器を長く使い続けることが可能でしたが、近年の車両はハイテク化が進み、古くなると保守用部品の確保に苦労するようになりました。
足回りの一新には、こういった状況を解消する狙いもありますが、その分コストの増大や後期の長期化を招いています。
そして、リニューアルでは対応しきれない部分もあります。
車体の構造自体は旧来のままであり、衝突時の安全性を高めるような対策は難しく、どうしても新型車に見劣りする部分が残ってしまうのです。
車両を新造したほうが結果的に低コストだという判断があり、1000形のリニューアルは中止になったと考えられるでしょう。
ステンレスの採用により車体が長寿命化する中、機器は長期での使用が難しくなったというのは、少々皮肉な展開でもありますね。
利用動向が変化したことで、車両の置き換えをハイペースで進めることは難しくなり、エネルギーや資源価格の上昇が進む中、今後は車両を新造するコストが増大する可能性もあります。
状況の変化が激しい現代において、今後の車両計画はどうなっていくのでしょうか。
1000形の未更新車が消えようとする中、気になることがあまりにも多い状況となってきました。
近年の小田急では、新車に近付けるような徹底的なリニューアルが行われてきましたが、3000形ではそういった方針にも変化が見られるようです。
従来の車両に対して徹底的なリニューアルを行う方針が変化し、5000形の新造が行われるようになった背景を考えてみたいと思います。
徹底的に行われるようになったリニューアル
小田急では、車両の登場から20年前後が経過した時期になると、車体修理と呼ばれる大規模な修繕が行われてきました。通勤型車両においては、2600形から内装にも手が加えられる部分が増加し始め、5000形や9000形では内装のイメージを変更するような内容へと変化していくこととなります。
修繕内容が多岐に渡るようになる中、いつしか対外的にはリニューアルという表現が用いられるようになり、更新後の車両は当時の新車に近い水準へと一新されていきます。
そして、車体と内装にほぼ限られていたリニューアルは、8000形の3本目から足回りも含めたさらに大規模なものへと変化し、当時の新車である3000形に合わせられるようになりました。
8000形で最大規模となったリニューアルは、1000形においても方針が継続され、車体の基本的な部分以外は全て一新されているような、そんな仕上がりとなっています。
登場から25年程度が経過してからのリニューアルであり、いつまで使うのかという点も気になるところですが、サービスの向上と長寿命化を狙った方向性だったといえるでしょう。
リニューアルの中止で新造へ
徹底的なリニューアルにより、順次新車同然の姿へと生まれ変わりつつあった1000形ですが、2020年度に異変が生じます。5000形の増備により車両に余剰が生まれる中、元々リニューアルの対象外だったワイドドア車ではなく、ノーマルドアの1000形に廃車が発生したのです。
ワイドドア車以外の全車がリニューアル予定とされていた1000形でしたが、この廃車によって計画変更が発生したことが明るみになりました。
リニューアルの計画が変更となった理由は明らかにされていませんが、長期化する工期や、ホームドアの導入が影響した可能性が高いとみられます。
車両の世代交代や8000形のリニューアルが済んだ結果、TASCとの相性が悪い電磁直通ブレーキはほぼ1000形のみの装備となり、ホームドアを本格的に導入していく際の障壁となりつつありました。
しかし、1000形のリニューアルが中止となった理由は、それだけではないとも考えられます。
2000形や3000形の初期車を飛ばして、現在は3000形の3次車以降にリニューアルが行われており、その内容が以前よりも簡素化されているとみられることからも、その背景が見えてきます。
今後もリニューアル自体は行うものの、全ての車両を対象にするのではなく、必要な車両に対して、必要な内容のみに絞って行っていくという方針が、現在の状況からは分かります。
方針が変更となった理由には、コストの問題が関係していると考えられます。
きちんとしたメンテナンスを行うことで、昔の車両は古い機器を長く使い続けることが可能でしたが、近年の車両はハイテク化が進み、古くなると保守用部品の確保に苦労するようになりました。
足回りの一新には、こういった状況を解消する狙いもありますが、その分コストの増大や後期の長期化を招いています。
そして、リニューアルでは対応しきれない部分もあります。
車体の構造自体は旧来のままであり、衝突時の安全性を高めるような対策は難しく、どうしても新型車に見劣りする部分が残ってしまうのです。
車両を新造したほうが結果的に低コストだという判断があり、1000形のリニューアルは中止になったと考えられるでしょう。
ステンレスの採用により車体が長寿命化する中、機器は長期での使用が難しくなったというのは、少々皮肉な展開でもありますね。
おわりに
車両の新造へと舵を切った小田急ですが、今後はどうなっていくのでしょうか。利用動向が変化したことで、車両の置き換えをハイペースで進めることは難しくなり、エネルギーや資源価格の上昇が進む中、今後は車両を新造するコストが増大する可能性もあります。
状況の変化が激しい現代において、今後の車両計画はどうなっていくのでしょうか。
1000形の未更新車が消えようとする中、気になることがあまりにも多い状況となってきました。
コメント
コメント一覧 (17)
あと、ちょっと逸れますが結局ノーマルドア全車のリニューアルをしないんだったら、先頭車を中間車改造なんかしないで、4連の中間車を電装解除(廃車するにしたってどうせ機器類は取り外すのですから)して台車を先頭車と振替ればよかったんじゃないの? とも思っています。
ワタシダ
がしました
あれは誰がどう見てものんびりとやりすぎでした。
そのため、リニューアルに迫られた車輌をリニューアルしきれなくなり、廃車に回してるのだと思います。
廃車するとその分車輌が不足しますから、新造で賄っているのでしょう。
というのも、新造もリニューアルも、費用がかかる点では同じです。
一番良いのはJR東みたく路線ごとに車種1形式にするのが良いのですが、私鉄は多分難しいでしょう。
現在の小田急が通勤車両でかかえている形式は、8000形、1000形、2000形、3000形、4000形、5000形、の6形式もあります。
これは関東私鉄では多い部類だと思います。
例えば他者路線を見てみると・・・
京王線は7000系、8000系、9000系、5000系の4形式です。
東急田園都市線は2020系、5000系、8500系の3形式ですが、もうすぐ8500系が引退するので2形式になります。
東急東横線は5050系4000番台、5050系、5000系の3形式です。
京急線は1500形、600形III、2100形、1000形IIの4形式です。
西武新宿線と池袋線は2000系・新2000系、6000系、20000系、30000系、40000系の5形式です。
東武東上線は8000系、9000系・9050系、10000・10030・10050系、30000系、50000・50070・50090系の5形式です。
このように、関東西部の私鉄各路線の中では小田急は、通勤電車として保持する車種が一番多い路線です。
車種が多いとそれだけメンテコストがかかります。
故に、車種を1つでも減らしてメンテコストを下げよう、とするのは、普通の流れです。
となると、次に消えゆく車種は何になるのでしょうか。
ワタシダ
がしました
更に10両化の推進があるのは明らかでしょう。
2000型以降の車両は基本的に大規模更新しなくても問題ない車両が多く、2000型は8両までしかないこで10両化を進める上、3000型初期車を含めたの拡幅ドア編成の全廃を進めていそうな気がしますね。
8000型は6両単独でも使えるから江ノ島線各停にも回せますし。
ワタシダ
がしました
あれは新車投入もなく、金が比較的かけられるだけ掛けられたし、新車との性能差が激しかったからああせざるを得なかった。
でも、3000形はある程度技術が進歩したハードだ。車体と台車以外全部変えるようなほどの更新なんかしなくたっていい。
多分今後は4000形はどうせ機器更新は大宮で外部委託すると思うし、3000形の取捨選択の行き届いた更新にしっかり力が割けるだろう。そして、3000形は3次車以降は全部更新して5000形に番が回ってくると思う。
ワタシダ
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初代4000形はHB車やHE車の徹底したリニューアルと言えなくもないかな、車体の大型化や冷房化を優先してモーターは流用した形もその時々のシステムとコストの最適解を編み出していたのかな、と思っています。
ワタシダ
がしました
ワタシダ
がしました
ワタシダ
がしました
ワタシダ
がしました
全然話変わりますが、このコメント欄不思議ですよね。Twitterで評判が悪い某I氏や内容のおかしな自説を展開するK氏など意味不明なコメントを読むことができます。
あの手の人がアクセス数を底上げしてるのかもしれませんが、記事内容の良さに比してレベルの低いコメント欄が玉にキズですね。
ワタシダ
がしました
以前10両固定化が中止になった理由についての投稿を拝読したのですが、京王8000系で同様の改造を施工した際にアスベストの問題が発覚したことで、小田急も一昔前に同様の問題に直面した経験から慎重になり始めたのかもしれません。
以上から分かること、それはコストや工期の面を考えると、
既存車両のリニューアル>新型車両の増備
が有利であると判断されたのでしょう(東京メトロなどの地下鉄事業者も昭和末期から平成にかけて非冷房車の淘汰が進められましたが、その際に既存車両の改造か新型車両の増備かで悩んだ結果、後者の判断が下されたのも同様の理由によります)。
ワタシダ
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小田急でも1000形は京王8000系とちょうど同年代ですので……「本来は使われていないはずのアスベスト」が見つかったりしたら、後からコンプライアンスを問い直されるかもしれない、と恐れた可能性はあると思えます。
ワタシダ
がしました