少々距離はあるものの、よみうりランドの最寄駅となっている小田急の読売ランド前駅。
駅自体は小田急の開業時から存在しており、1964年に現在の駅名へと改称されました。

線路の外側にホームが並ぶ小田急ではよく見る形態の駅ですが、上りホームは隣接する道路と同じ高さになっており、やや特徴がある状態となっています。

隣接道路と同じ高さのホーム

相対式のホームを有し、各駅停車と準急系の列車が停車する読売ランド前は、上りホーム側に津久井道が隣接しています。
津久井道は川崎市内で小田急と並走している道路ですが、読売ランド前付近ではかなり線路に寄っている状態となっており、ホームからはその様子がよく分かります。

20220910_04

距離感はこのような状態で、柵で隔てられたホームの外側はすぐに車道となっています。
この近さにも驚かされますが、面白いのはホームと道路が同じ高さになっていることで、線路だけが低くなっているのです。

ホームの両脇を電車と自動車が走るような状態となっており、他ではあまり見られない光景が展開されています。
柵は比較的シンプルなもので、ホームの外側を走る自動車がよく見えるため、この特徴的な光景を強調するのに一役買っているといえそうです。

ホームと道路が同じ高さになった謎

ホームと道路が同じ高さという特徴的な状態は、どのようにして生まれたのでしょうか。
この状態が見られるのは上りホームのみとなっていることも特徴で、下りホームは線路と同じ高さに地面があります。

このような状況から、線路の部分を掘り下げたのではと思ってしまいますが、新宿方等はホームの下が空洞となっており、道路のほうが嵩上げされているような状態となっているのです。
駅の新宿方には踏切がありますが、道路から踏切にかけてやや下ってはいるものの、この付近ではホームほどの高さではなく、どうもよく分かりません。

しかし、この踏切には重要な意味がありそうなことも分かりました。
かつての津久井道はこの踏切で駅の反対側へと抜けており、読売ランド前の南口側は旧道に面しているということになります。
現在ホームに隣接する道路は、後から整備されたものの可能性が高く、その際にホームと高さを合わせたということなのでしょうか。

昔の写真を眺めてみても、確証を得られるような情報は見つかりませんでしたが、道路の反対側が山のようになっていることから、道路を通す際に掘り下げたのかもしれません。
わざわざホームより掘り下げる必要もないため、ホームと道路を同じ高さにしたのかもと思いましたが、今度はホームの下が空洞になっていることの説明ができなくなります。

道路を通す際に山を削り、その削った土砂で道路部分の嵩上げをしたと考えれば違和感がなくなりますが、実際のところはどうだったのでしょうか。
考えれば考えるほど謎は深まりますが、かなり昔の写真が出てこない限り、正解は見つからないのかもしれませんね。

おわりに

特徴的な状態に興味を持ち、古い写真が載っている書籍等を眺めてみましたが、謎は謎のままとなってしまいました。
どのようにしてこの状態が生まれたのか、そのヒントになる写真をこれからも探していきたいと思います。