未更新車の廃車が進められたことで、最終的には最盛期の半数の両数に減少することが見込まれる小田急1000形。
車齢では8000形よりも若い形式ですが、リニューアルが行われていないため、車体以外は小田急で最も古い車両と表現できる存在になってしまいました。

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まもなく引退することが予想される1000形の未更新車ですが、それによって小田急から消えるものが多く存在します。
見納めが近いそれらについて、今回はご紹介したいと思います。

小田急の車両から消えてしまうもの

1000形という車両自体はこれからも残りますが、未更新車が引退をしてしまうことで、小田急から消えようとしているものが沢山あります。
未更新車の引退により、長年に渡って小田急では当たり前だったものが、静かに消えようとしているのです。

まず、最も目立つものといえば、前面や側面に装備されている方向幕です。
かつては8000形も方向幕を装備する車両でしたが、リニューアルによりLEDの表示器となっており、1000形の未更新車が最後の装備車両でした。
通勤型車両からは、二段になっていない電気連結器も消滅し、昔ながらのスタイルは見納めとなります。

機器の面でも消滅するものがあります。
GTOサイリスタのVVVFインバーターの制御装置や、電磁直通ブレーキが小田急から消滅するため、独特な音を耳にする機会はなくなります。

その他にも、案内表示がない車内や、自動放送がないという車両も、1000形の未更新車が最後となっていました。
車掌が活躍するシーンが最も多い車両となっていましたが、それも終わりということになります。

小田急の車両から消えようとしているもの

1000形の未更新車が引退することで、風前の灯となってしまうものもあります。
いずれも2000形が最後の装備車両となるもので、消滅までのカウントダウンが始まることとなります。

利用者の目線で目立つものといえば、側窓の遮光カーテンです。
これは2000形の2052Fと2053Fが、小田急で最後の装備車両となります。
小田急の車両では残り僅かとなるものの、乗り入れてくる東京メトロの16000系が装備しているため、触れる機会自体はまだ多いかもしれません。

使用を停止してから長い年月が経過している、通過表示灯も僅かとなります。
ロマンスカーからは既になくなっており、2000形の2051Fと2052Fが最後の装備車両となるでしょう。

そして、2000形の全編成が最後となるのが、2ハンドルの運転台です。
両手を使って運転をする姿は、今後2000形のみで見られるものとなり、先頭車に乗るのが楽しい車両となることでしょう。

おわりに

車両の世代交代が進み、今まで当たり前だったものが今後見られなくなっていきます。
2000形が最後となるものもありますが、1000形の未更新車が引退するということは、一つの時代が終わろうとしていることを意味するのかもしれませんね。