通勤型車両に設置され、交通弱者の着席を優先することを促している優先席。
小田急では全ての車両に設置されており、近年は周囲と内装の色を変えるといった対応も進められてきました。
現在では当たり前となった優先席ですが、小田急ではいつ頃設置され、どのような歴史を歩んできたのでしょうか。
現在は優先席となっていますが、小田急ではシルバーシートという表現を用いてのスタートでした。
高齢者向けの優先座席は、1973年に国鉄がシルバーシートを導入したのが始まりで、その後私鉄各社でも導入が進められました。
小田急で設置された明確な時期は分かりませんでしたが、様々な写真を見ていくと、1975年前後に設置されたようです。
シルバーシートは基本的に先頭車の車端部に設置されましたが、2両を複数編成繋いで半固定編成的に使われている場合においては、両端に出る先頭車にのみ設けられています。
編成替えによって法則が崩れる場合もあり、先頭車が多かった時代ならではの苦労といえそうです。
2200系列が形式消滅し、小田急から2両編成の車両がなくなると、先頭車にシルバーシートがあるという分かりやすい法則が定着します。
急行等の長い編成では、併結によって中間部にもシルバーシートがある状態となるため、編成全体でのバランスは結果的に保たれていました。
1991年度に1000形の10両固定編成が登場し、先頭車のみにシルバーシートを設けた状態では、編成によって差が出る状況となってしまうためです。
そこで、10両固定編成が運用を開始する1992年3月28日のダイヤ改正に合わせ、シルバーシートは全車両に設置されることとなりました。
中間車については新宿方の車端部に設置され、シルバーシートが隣り合う状態もこの時に発生しています。
例外は1000形のワイドドア車で、車端部の座席数が少ないため、全ての車端部がシルバーシートとなっていました。
長い間シルバーシートとして定着していた名称は、2002年10月15日に優先席へと変更されます。
シルバーシートという名称は、高齢者の座席というイメージを想起させるため、優先席への変更は世の中的な流れでした。
この時期には、優先席付近で携帯電話の電源を切るという運用も始まりますが、実際に切っている人はあまりいなかったように記憶しています。
その後、2009年頃には優先席の位置が変更され、現在のように小田原方に設置されるようになりました。
一部の車両において、内装の配色がおかしくなっているケースがありますが、これはこの位置変更によって生じたものです。
最近では新造車両にフリースペースの設置が行われるようになり、交通弱者への対応は多様化しています。
全ての方にとって利用しやすい鉄道というのは難しいものですが、試行錯誤が今も続けられています。
高齢化が進んでいる現代ですが、今後はどのような変化があるのでしょうか。
小田急では全ての車両に設置されており、近年は周囲と内装の色を変えるといった対応も進められてきました。
現在では当たり前となった優先席ですが、小田急ではいつ頃設置され、どのような歴史を歩んできたのでしょうか。
シルバーシートとしてのスタート
シルバーシートという表現を聞くと、懐かしいと感じる方は多いのではないでしょうか。現在は優先席となっていますが、小田急ではシルバーシートという表現を用いてのスタートでした。
高齢者向けの優先座席は、1973年に国鉄がシルバーシートを導入したのが始まりで、その後私鉄各社でも導入が進められました。
小田急で設置された明確な時期は分かりませんでしたが、様々な写真を見ていくと、1975年前後に設置されたようです。
シルバーシートは基本的に先頭車の車端部に設置されましたが、2両を複数編成繋いで半固定編成的に使われている場合においては、両端に出る先頭車にのみ設けられています。
編成替えによって法則が崩れる場合もあり、先頭車が多かった時代ならではの苦労といえそうです。
2200系列が形式消滅し、小田急から2両編成の車両がなくなると、先頭車にシルバーシートがあるという分かりやすい法則が定着します。
急行等の長い編成では、併結によって中間部にもシルバーシートがある状態となるため、編成全体でのバランスは結果的に保たれていました。
全車両への設置と名称の変更
先頭車の車端部にシルバーシートがあるという法則が成立した小田急ですが、長編成化によりそれでは都合が悪くなる事態が生じます。1991年度に1000形の10両固定編成が登場し、先頭車のみにシルバーシートを設けた状態では、編成によって差が出る状況となってしまうためです。
そこで、10両固定編成が運用を開始する1992年3月28日のダイヤ改正に合わせ、シルバーシートは全車両に設置されることとなりました。
中間車については新宿方の車端部に設置され、シルバーシートが隣り合う状態もこの時に発生しています。
例外は1000形のワイドドア車で、車端部の座席数が少ないため、全ての車端部がシルバーシートとなっていました。
長い間シルバーシートとして定着していた名称は、2002年10月15日に優先席へと変更されます。
シルバーシートという名称は、高齢者の座席というイメージを想起させるため、優先席への変更は世の中的な流れでした。
この時期には、優先席付近で携帯電話の電源を切るという運用も始まりますが、実際に切っている人はあまりいなかったように記憶しています。
その後、2009年頃には優先席の位置が変更され、現在のように小田原方に設置されるようになりました。
一部の車両において、内装の配色がおかしくなっているケースがありますが、これはこの位置変更によって生じたものです。
最近では新造車両にフリースペースの設置が行われるようになり、交通弱者への対応は多様化しています。
全ての方にとって利用しやすい鉄道というのは難しいものですが、試行錯誤が今も続けられています。
おわりに
時代に合わせて少しずつ姿を変えてきた小田急の優先席。高齢化が進んでいる現代ですが、今後はどのような変化があるのでしょうか。
コメント
コメント一覧 (4)
ワタシダ
がしました
時期的には女性専用車が始まるタイミングと同じだったような気がします。
ワタシダ
がしました
ワタシダ
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