新形式の通勤型車両となる5000形を導入し、小田急では車両の置き換えが開始されました。
車両の置き換えは、1000形の未更新車を中心に進められてきましたが、最後の編成となっていた1058Fが廃車になったようです。

1058Fの廃車により、通勤型車両の置き換えは一つの節目を迎えることとなりますが、今後はどのような展開が考えられるのでしょうか。

1000形の未更新車が消滅

2014年度からリニューアルが始まった1000形は、ワイドドア車を除く全車両が更新対象となっていました。
しかし、2020年度に1081Fが一部の車両を残して廃車となり、その後未更新車は少しずつ数を減らしてきました。

2022年9月の前半に1251Fが廃車となったことで、オリジナルカラーの未更新車は消滅し、レーティッシュカラーの1058Fだけが最後の活躍を続けてきましたが、ついに役目を終えることとなります。
1058Fの廃車により、1000形の未更新車は全車引退となり、2009年から親しまれてきたレーティッシュカラーも見納めとなりました。

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未更新車は見納めとなりましたが、大野総合車両所には訓練車として1062Fが残されており、今後も懐かしい姿を見ることができそうです。

1058Fの引退により1000形の整理は一段落し、今後はリニューアルを終えた以下の編成が活躍を続けることとなります。

【4両】
・1057F
・1063F
・1064F
・1065F
・1066F
・1067F
・1069F

【10両】
・1091F
・1092F
・1093F
・1094F
・1095F
・1096F
・1097F

最盛期には196両を数えた1000形は、丁度半分となる98両となりました。
徹底的なリニューアルが行われたこれらの編成は、今後も当面は活躍を続けるものと思われます。

今後の置き換えはどうなるのか

1000形の廃車が一段落したことで、気になるのは次の展開がどうなるのかという点です。
先日5000形の新編成となる5061Fが到着しており、2022年度内には5062Fも登場することが見込まれます。

現状の小田急は、ダイヤ変更によって減便が行われたことで、車両が余っている状態となっています。
問題がないとはいえない状況ではあるものの、以前のようなダイヤに戻る可能性は低く、その場合には余剰となる車両の削減が進められると考えられます。
また、今後は多くの車両が置き換えや更新の時期を迎えるため、長い目で見た判断も求められます。



これらの状況から考えられることはいくつかあり、今後の展開次第で方向性が見えてくると思われます。

まず、2022年度内に他の車両が廃車になるのかという点です。
1000形の未更新車が消滅したことで、廃車を急がなければいけない車両はなくなりました。
仮に他の車両も廃車となった場合、次回のダイヤ改正で再び増便となる可能性は低く、今後も現状をベースとした輸送力でダイヤを組むことになると想定されます。

余剰となる車両が整理された後も、いくつかの展開が可能性として考えられます。
5000形の増備を中断し、今走っている車両を大切に使うか、車両の置き換え自体は継続し、世代交代自体は進めるかです。
どちらの場合にも課題はあり、前者ではやがて大量置き換えを行う必要が生じること、後者は投資を抑制しなければいけない現状において、まだ使えそうな車両を廃車にしなければなりません。
これらの中間となる対応も考えられ、数年間5000形の増備を中断し、落ち着いた頃に再開する可能性もあるでしょう。

中長期の目線で考えて、小田急はどちらの選択肢を選ぶのでしょうか。
大量置き換えを行わざるを得なくなった過去もあり、小田急の今後の方針が気になります。

おわりに

1000形から未更新車が消滅し、一つの時代が終わったことを実感します。
慣れ親しんだ小田急の車両が見られなくなるのは寂しいものの、評価が高い5000形が増えることは、利用者にとって嬉しいことといえそうです。