相模大野から分岐した小田急の江ノ島線で、最初の駅となるのが東林間です。
6両分のホームを備えた江ノ島線らしい駅となっており、相模大野寄りに橋上駅舎があります。

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現在の姿は改良工事によって誕生したものですが、その前後で駅の利便性はどのぐらい変化したのでしょうか。

改良工事を行う前の東林間駅

現在の姿になる前の東林間は、下り線側の地上部に駅舎がありました。
駅舎の位置は相模大野寄りのホーム端で、数段の階段を上ってホームへと入る構造でした。

元々の駅舎は木造で、洒落たデザインが特徴となっていましたが、戦後の改良により雰囲気が変わったようです。
改良工事前の状態は、私鉄では珍しくないものでしたが、利用者にとってはやや不便な構造となっていました。

どのように不便だったのかというと、駅舎が下り線側にしかないため、上り線側から来る利用者は一度踏切を渡る必要があります。
さらに、上り列車に乗る場合は下りホームから跨線橋を渡って上りホームに行く必要があり、かなり不便な状況でした。
構内踏切があった頃の名残なのだとは思いますが、利用者としては辛い状況だったことでしょう。

東林間駅の橋上駅舎化

利用者にとって不便な状況を解消するため、1981年の10月から改良工事が開始されました。
改良工事は橋上駅舎化を伴うもので、元の位置と同様に相模大野寄りに設けられることとなります。

橋上駅舎化に合わせて上り線側にも階段が造られ、西口が設けられることとなりました。
やや強引な配置にも見えますが、市の協力により用地を確保したようで、東西を結ぶ自由通路としても機能しています。

小田急では22番目の橋上駅舎となった東林間でしたが、それ以外にも改良点がありました。
今では当たり前となった点字ブロックやスロープが設けられており、バリアフリー化が図られています。

こうして完成した東林間の新しい駅舎は、1982年8月26日に竣功式が行われ、翌日の27日より使用が開始されました。
改良後の駅舎は百合ヶ丘と似ていますが、同時期に改良が行われたことに起因するようです。

おわりに

橋上駅舎化により、上り線側からのアクセスが向上した東林間駅。
この頃は橋上駅舎化が積極的に進められており、昔ながらの駅が消えていく過渡期でもありました。