全体の半数がリニューアルされ、最新型の5000形に混ざって活躍している1000形。
未更新のまま廃車となる車両があったのは残念ですが、更新車は今後も元気に活躍する姿を見せてくれそうです。

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8000形に続いて大規模なリニューアルとなった1000形ですが、意外にも小田急の方針が変化したと感じさせられる面があります。
リニューアルが終わった今だからこそ、その点について触れてみたいと思います。

大規模だったリニューアル

リニューアル後の車両を見れば分かるように、1000形の更新内容は8000形に続いて大規模なものとなりました。
最新の車両にも見劣りしない仕上がりとなっており、好みによっては1000形が一番と感じる方もいることでしょう。

主な改造点としては、主要な機器を最新鋭のものに交換し、内装等の接客設備を現代の水準に合わせるもので、最新型の5000形と同等の車両へと生まれ変わっています。
車内は清涼感を感じる配色とされており、1000形ならではのデザインとなりました。

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一部の編成については組み替えを行い、最終的に4両と10両が7編成ずつに整理され、合計は98両となりました。
ワイドドア車を含めたそれ以外の98両は廃車となり、1000形のリニューアルは終了となっています。

従来とは変化したリニューアルの方針

近年になるほど内容が大規模化し、工場への入場期間も長くなっていた小田急のリニューアルですが、8000形とは方針が変化したと感じられる部分があります。
それは更新の時期による仕様差がほぼ発生していないことで、8年間に渡って行われたにもかかわらず、ベースとなる車両や組み替えによって生じた差異を除き、統一された仕様で仕上げられました。

8000形のリニューアル時には、搭載する機器や内装の仕様が都度アップデートされ、最終的に多くのバリエーションが誕生しました。
これはそれ以前の車両においても同様で、多かれ少なかれ施工時期による差異が生じています。

最近は新造車両においても同様の傾向があり、5000形も増備の時期による差異が少なめです。
仕様を統一することで効率性を高めようとしているのか、小田急における完成形へと到達したのかは分かりませんが、少なからず仕様差を減らそうという意図があるのかもしれません。

おわりに

鉄道趣味的な観点では、編成による差異が減ることは少々寂しい面もあります。
保守等の面では差異が少ないほうが効率的でしょうから、現在リニューアルが進められている3000形においても、今後の仕様変更は限定的なものとなりそうですね。