70番目の駅としてはるひ野が開業して以来、新駅の設置が行われていない小田急。
沿線が成熟しつつある中では、近年になるほど新駅の設置は行われなくなってきました。

20200704_04

小田急の新駅といえば、開成やはるひ野のイメージが強いですが、さらに昔はどれぐらいのペースで新駅が設置されていたのでしょうか。

路線の開業後に設置された駅

1927年4月1日に小田原線が開業してスタートした小田急は、江ノ島線、多摩線と路線を増やしてきました。
新しい路線が開業すれば新駅が設置されますが、それとは別に設置された駅も存在します。

多摩線の延伸時も除いた場合、路線の開業後に設置された駅は以下のとおりとなります。
新駅が設置された順番に並べ、日付は開業日を記載しました。

狛江:1927年5月27日
座間:1927年7月28日
玉川学園前:1929年4月1日
梅ヶ丘:1934年4月1日
小田急相模原:1938年3月1日
相模大野:1938年4月1日
海老名:1941年11月25日
螢田:1952年4月1日
桜ヶ丘:1952年11月25日
百合ヶ丘:1960年3月25日
善行:1960年10月1日
湘南台:1966年11月7日
新百合ヶ丘:1974年6月1日
開成:1985年3月14日
はるひ野:2004年12月11日

小田原線が開業して間もなく狛江が、江ノ島線の開業と同時に玉川学園前も設置されていたりと、様々なストーリーがあったことも分かります。
名称に「ヶ丘」が入る駅が多く、小田急が比較的好んで用いた傾向もありそうです。

鈍化していく新駅の設置ペース

時が経てば経つほど、駅を設置できるような駅間距離がある場所は減り、設置できる土地も物理的に少なくなります。
近年になるほど新駅が少なくなるのは当然のことですが、過去にはどれぐらいのペースで設置されたのでしょうか。

各年代ごとにどれぐらいの駅が設置されたのかを整理すると、以下のとおりとなります。

1920年代:3駅
1930年代:3駅
1940年代:1駅
1950年代:2駅
1960年代:3駅
1970年代:1駅
1980年代:1駅
1990年代:0駅
2000年代:1駅
2010年代:0駅

戦前に開業した駅が意外と多く、全体の半数近くに及びます。
戦後になると新駅が設置されるペースは鈍化するものの、高度経済成長期にいくつかの新駅が加わり、その後は一気に珍しくなります。

新駅の周辺は新しい街として発展し、新百合ヶ丘や湘南台のように地域の中心となったケースもあります。
最も新しいはるひ野ですら20年近くが経過しており、駅の周辺も開業当時とは様変わりしました。

おわりに

駅を設置できるような土地も少なくなり、1980年代以降では新駅の設置が稀なことになりつつあります。
今後新たに設置される駅はあるのか、未来がどうなっていくのかについても気になりますね。