南海電気鉄道の子会社で、大阪府内に路線を広げる泉北高速鉄道が、新型車両として9300系を導入すると発表しました。
発表後はSNSを中心にちょっとした騒ぎが発生し、小田急の車両みたいだと話題になっています。

車両のイメージイラストを見てみると、確かに小田急の車両のように感じる面があります。
なぜ小田急の車両に似ていると感じるのか、そのポイントを探ってみることとしましょう。

泉北高速鉄道が導入する新型車両

大阪府内を走る泉北高速鉄道が、新型車両の9300系を導入すると、2022年11月11日に発表しました。
営業運転の開始時期は2023年の夏を予定しており、4両が2編成導入されるようです。

9300系の詳細については、小田急の車両に似ていることを教えて下さった鉄道プレスさんや、阪和線の沿線からさんの記事をご覧いただければと思います。





公開されたイメージイラストを見てみると、どこか小田急の車両に似ていると感じます。
正面から見ると8000形に似ている印象であり、側面に巻かれたブルーの帯が小田急感を高めています。

20210123_01

意図して小田急に似せようとしたわけではないでしょうし、きちんと泉北高速鉄道らしさを感じる車両となっており、9300系の登場自体が楽しみではありますが、やはりどこか小田急に似ています。
全体の雰囲気だけで似ているわけではないようで、細部を見ていくと似ていると感じる理由が分かってきました。

9300系が小田急に似ていると感じるポイント

なぜ9300系が小田急の車両に似ていると感じるのかを考えると、大前提がありました。
泉北高速鉄道の車両は、以前から小田急と同系統のカラーリングを採用しており、ホワイト系の車体にブルーの帯を巻いています。
従来の車両は2色のブルーでしたが、9300系は1色にして帯を太くしており、これにより小田急感が出たのでしょう。

カラーリングの類似点に加え、前面のデザインは8000形を思わせるようなブラックフェイスとなっており、各パーツの配置も似ています。
9300系は南海の8300系をベースとするようで、前面のデザインも同様に見えますが、ブラックフェイスにしたことでかなり印象が変化しました。
拡幅車体であることも小田急感を醸し出しており、上部に配置されたライトは小田急顔を想起させます。

関西の私鉄では珍しい20m級の車体であり、側面に四つの扉があることもポイントでしょう。
そこに太めの帯が巻かれ、すっきりした雨樋の処理とされていることもあり、小田急の車両が従来車のイメージを継承して進化した場合には、このような姿になったのではないかとも思わせます。
屋根には冷房装置のキセが二つ並び、小田急と同じ形状のアンテナがあることで、似ていると感じる要素はほぼ揃ったといえます。

本家の小田急はというと、5000形で帯を2色に変更しており、逆の流れに進んでいることも面白い点です。
小田急の車両は新しい要素を取り入れ、少しずつイメージを変えつつありますが、泉北高速鉄道の9300系は昔ながらの小田急に近い要素があることで、似ていると感じるのかもしれません。

おわりに

小田急に似ているという点で今回は記事にしてみましたが、9300系はどこか安心するデザインなのだと思います。
差別化するための要素を盛り込みすぎず、比較的シンプルな外見にまとめたことが好印象で、登場するのが楽しみな車両です。