小田急の通勤型車両には、位置を分かりやすくするために号車を表示したステッカーが貼られています。
現在では当たり前となったものですが、昔はロマンスカーでしか号車表示はされておらず、時代が平成になってから運用が始まりました。

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ロマンスカーよりもだいぶ後から始まった通勤型車両の号車表示は、いつ頃から見られるようになったのでしょうか。

1999年からスタートした号車表示

通勤型車両における号車表示はステッカーにより行われており、車外では車端部の上部に、車内はドア上のスペースに貼られています。
小田急は最大で10両編成を組んでいるため、1号車から10号車までが存在し、小田原方の先頭車が1号車となります。

ロマンスカーでの号車表示はかなり昔から行われていたのに対し、通勤型車両で導入した時期は比較的遅く、1999年になってからのことでした。
号車表示は全ての通勤型車両に貼られ、比較的シンプルだった車両の外観はやや賑やかになりました。

先行して廃車になっていた一部を除き、2600形以降の車両には号車表示の実績があり、晩年だけの姿となっています。
現在も全ての通勤型車両で号車表示が行われ、最新型の5000形でも変わらずに続いています。

号車表示がスタートしたきっかけ

ロマンスカーよりも遅れてスタートした通勤型車両の号車表示は、そもそも何がきっかけだったのでしょうか。

当時の小田急では、通勤型車両でも頻繁に途中駅での分割併合が行われていました。
前の6両が急行の片瀬江ノ島行き、後ろの4両が各駅停車の藤沢行きになりますといった案内が車内で行われていましたが、自分がどこに乗っているのか分からないという意見が寄せられ、号車表示が導入されることになったのです。
号車表示の導入により案内はしやすくなり、自分が乗っている車両を確認して判断ができるようになりました。

分割併合を行う車両は4両と6両だったため、必然的に6両は1号車から6号車、4両は7号車から10号車となります。
現在ではほとんど見られなくなりましたが、当時の小田急には4両を2本繋いだ8両が多く存在し、このパターンでは7号車から10号車が編成内に2両ずつ存在します。
分かりにくいようにも感じますが、分割併合時の分かりやすさを目的とした導入だったため、大きな問題はありませんでした。

8両固定編成については正しい号車表示とされ、1号車から8号車までのステッカーが当初から貼られています。
例外は9000形の4両で、半固定編成化された9001Fから9006Fについては、正しい号車表示となっていました。

おわりに

分割併合が行われなくなった現在においても、号車表示は引き続き行われています。
現在は乗車位置の案内等に活用されており、8両編成におけるおかしな表示もほとんど見ることができなくなりました。