合計で346両が製造され、2022年度からはリニューアルが開始された小田急の3000形。
製造段階と改造により様々な差異が生まれ、バリエーションが豊富な形式となっています。

10両化が行われたことで、3000形の8両は8本だけの少数派となりましたが、その中の3651Fに動きがあり、LED表示器がフルカラーのものに交換されました。

LED表示器の交換が行われた3651F

登場から20年以上が経過しつつある3000形ですが、リニューアル以外の新たな動きが出てきました。
7本が10両化され、現在は8本が残っている8両のうち、3651FのLED表示器が交換され、フルカラーでの表示ができるタイプとなりました。

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2022年11月22日の段階では従来のものを装備していましたが、23日の朝には全車両の交換が済んでおり、入庫した喜多見検車区で交換が行われたものと思われます。
8両のLED表示器が交換されるのは初めてで、新品ならではの鮮やかさが印象的です。

3000形におけるLED表示器の交換は、6両の3251Fから3257Fに対しても行われていますが、3258F以降を飛び越しての交換となりました。

LED表示器の交換は何を意味しているのか

突然3651Fに対して行われたLED表示器の交換ですが、それ自体は過去に行われた際も同様であり、今回に限ったことではありません。
どちらかといえば、3258Fから3262Fを飛ばして交換が行われたことのほうが気になり、3000形の今後を予測するうえでも重要なヒントになりそうです。

まず、過去にLED表示器の交換だけが行われた車両には、ある共通点があります。
該当する車両としては、2000形、3000形の3251Fから3257F、そして今回の3651Fです。
どの車両も小田急の中では比較的少数のグループを形成しているのが共通点で、リニューアルによって大規模に手を入れるのではなく、必要に応じて部分的に手を入れているようにみえます。

3258Fから3262Fの交換を飛ばしたことで、3251Fから3262Fについても今後の動きが推測可能となり、8両よりも先に廃車となることが予想されます。
なぜ交換が中途半端に終わっているのかは定かではないものの、取り外した部品を再利用しつつ乗り切るのかもしれません。

3000形が3次車の6両からリニューアルを開始した中、8両ではLED表示器の交換だけが行われたことになり、今後の更新対象がどうなるのかを暗に示しているともいえそうです。
また、この交換が他編成でも続く場合には、今後も8両は8両のまま使われる可能性が高くなり、しばらくは各駅停車に8両と10両が混在する状況が続くことになるのでしょう。

おわりに

登場から20年以上が経過し、様々な動きが出てくるようになった3000形。
在籍両数が多いこともあり、これから編成ごとに色々な差異が生じることになるのかもしれません。