2022年3月11日をもって定期運行を終了し、現在は臨時列車等でのみ走る姿が見られる小田急の50000形(VSE)。
様々なこだわりを詰め込んで登場した意欲作でしたが、美人薄命の言葉が現実となってしまい、2023年の秋頃には完全に引退する予定となっています。

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そんなVSEの先頭部には連結器がなく、車体の下部にはライトが備えられていますが、非常時等に必要となる連結器はどこにあるのでしょうか。

先頭部に連結器がない車両が多いロマンスカー

流線形の車体を持つロマンスカーは、デザイン面を配慮してか、先頭部に連結器がありません。
正確にいうと、ないのではなく普段は隠されているのですが、どこにあるのかは注意して見なければ分からないようになっています。

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例えば、既に引退してしまった7000形(LSE)の場合には、先頭部にあるカバーの中に連結器が隠れており、試運転等の際にはこのような姿を見ることができました。
多くのロマンスカーがこのようなスタイルとなっており、たまに見られるこのような姿は貴重なものとなっています。

ほとんどの車両は連結器を隠していますが、分割併合を行う先頭車については例外となっているほか、60000形(MSE)は地下鉄線内を走行するためか、例外的に連結器が隠されていません。
引退した車両の中では、3000形(SE)も連結器を出す機会が多い車両でしたが、こちらはやや目立つカバーで普段は隠されていました。

VSEの連結器はどこにあるのか

シャープな先頭部が印象的なVSEですが、従来のロマンスカーと同様に連結器がありません。
それどころか、車体の下部にライトを配置しているため、連結器を隠しているようなカバーすら見当たらないのです。

外見からは連結器があるようには見えないVSEですが、非常時等には必ず必要になるものであるため、実際にはきちんと備えられています。

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滅多に見ることができないVSEに連結器がある状態は、このような姿となります。
ライト自体が取り外され、その部分に連結器がある状態となり、ライトがない姿となってしまうのです。

ここで一つ疑問に思うことは、ライトがなくて大丈夫なのかということですが、VSEが連結器を使うのは他の車両に繋ぐ時しかないため、問題はありません。
このような仕様となっているため、連結器がある状態で自走することは基本的になく、他のロマンスカー以上にこの姿は貴重なものとなっています。

おわりに

なかなか見ることができないVSEの連結器は、特に貴重な姿となっています。
私も連結をしていない状態で連結器が出ている姿を見たことはほとんどなく、写真を撮れたのもかなり幸運なことでした。