長い期間使われることが多い鉄道車両においては、編成を長くするために中間車を増結することや、組み替えを行うことがあります。
小田急においても例外ではなく、長編成化に合わせて様々なことが行われてきました。

編成の変更を行う際に、小田急は編成美を考慮する傾向がありますが、どのような事例があったのでしょうか。

編成美を考慮する小田急

輸送需要の変化や、ホームの延長に合わせて編成を増強してきた小田急では、中間車の増結や編成の組み替えが度々行われてきました。
登場後の年数がそれなりに経過してから中間車が増備されるようなケースもあり、最近では登場から15年以上が経過した3000形に対して、中間車を追加増備する編成増強が行われています。

このような場合において、他社では最新の車両と仕様を合わせ、編成内で形態差が生まれるケースもありますが、小田急は編成美を優先する傾向が強いようで、従来車とできる限り仕様を合わせています。
3000形においても同様で、外見や内装は極力合わせられており、細かいパーツ単位の部分以外は極力違和感がないように揃えられています。

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前から2両目と3両目が増備車ですが、基本的な形態は揃えられており、車体が汚れてしまった今となっては、後から追加された車両であることはほとんど分からなくなりました。
近年の事例では、1000形のワイドドア車を組み替えた際にも、中間車化された先頭車はかなり綺麗に仕上げられていました。
例外としてはノーマルドア車の中間車化がありますが、小田急としては珍しいケースといえるでしょう。

昔から考慮されていた小田急の編成美

小田急が編成美を考慮する傾向は、過去にも同様のケースが存在しました。
分かりやすいケースとしては4000形があげられ、組み替え時に先頭車の中間車化が行われた際、先頭車の形状を残すことなく完全に中間車化されました。

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例えば、写真の4254Fは3両目と4両目が先頭車からの改造ですが、見た目では全然分からない状態となっています。
1974年に中間車を増備した際にも、当時の最新型である9000形に形態を合わせるようなことはなく、将来の改造に備えた仕様変更が行われた以外は、見た目を揃えての増備となりました。

それ以前についても似たようなケースは多く、1900形や2200系列の先頭車化や中間車化でも頑張りが見られます。
小田急の本気を感じたのは1700形のケースで、格下げ時に中間車を増結した際、第3編成のみ形態が大きく異なっているため、中間増備車の形態もそれぞれに合わせていました。

おわりに

車両の長編成化が最終段階となり、増結や組み替えが今後見られる可能性は低くなりました。
登場から引退まで、ほとんど姿を変えずに走る車両が今後は多くなるのかもしれませんね。