新車を車両メーカーから搬入する際や、それとは逆に改造等を行うために搬出する場合、小田急の車両は甲種輸送によって貨物列車扱いで運ばれます。
小田急はJR東海の御殿場線と線路が繋がっているため、甲種輸送はこの連絡線を介して行われます。

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甲種輸送時はJR貨物のEF65形が小田急に入線しますが、このような光景が見られるようになったのはいつからなのでしょうか。

新松田駅で行われる車両の授受

新車はどうやって運ばれてくるのか、鉄道会社によってその方法は様々ですが、小田急の場合はJRの線路上を甲種輸送されてきます。
深夜には見慣れない電気機関車が小田急に入線し、多くの関係者に見守られる中で、車両の授受が行われることとなります。



新松田での授受は面白い運用となっており、小田急の運転士がEF65形のハンドルを握り、松田から新松田までの短距離を運転します。
小田急には電気機関車が在籍しておらず、車両を付け替えるための場所もないため、このような運用が行われるようになりました。

新松田駅での授受が開始された時期

全国的にも珍しい車両の搬入出ですが、このようなやり方になったのは比較的近年のことで、かつては小田原にて授受が行われていました。
他の多くの私鉄と同様、昔は小田急も電気機関車を保有しており、車両を輸送する光景が見られたのです。

授受が行われた小田原には、JRの線路と繋がる渡り線があり、日中に電気機関車を付け替えていました。
今もこのような運用が行われていたら、小田原は毎回大騒ぎになってしまいそうですね。

さて、そんな小田原での授受ですが、全線で急行の10両運転を行うために、駅構内の配線を改良することとなりました。
改良によってJRとの渡り線は撤去されてしまい、車両の行き来ができなくなったのです。
こうして行われるようになったのが新松田の授受であり、1994年10月から開始されました。

おわりに

新松田で車両の授受が行われるようになってからも、そこそこの年数が経過しました。
EF65形が数を減らす中、今後の甲種輸送がどうなっていくのかについても、色々と気になるところです。