ステンレスやアルミニウムの車体が主流となり、塗装された車体の鉄道車両は減少を続けています。
小田急は1987年に製造を開始した1000形でステンレスの車体を採用し、銀色の車両への世代交代が進められてきました。

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既に主流派は無塗装の車体となっている小田急ですが、塗装された車体の車両はどれぐらい残っているのでしょうか。

車体が塗装された車両の総両数

通勤型車両では8000形のみとなりましたが、小田急には特急用のロマンスカーがあるため、車体が塗装された車両という面では、現在も比較的まとまった数の車両が在籍しています。
廃車によって8000形は数を減らしつつありますが、まずは現状を整理してみましょう。

小田急で車体が塗装された車両を形式別にまとめると、以下のとおりとなります。

8000形:124両
30000形:70両
50000形:20両
60000形:42両
70000形:14両
合計:270両

最盛期は8000形が160両だったため、ロマンスカーの総数を単一形式で上回っていましたが、廃車の進行により勢力は逆転している状況です。
小田急全体では270両も走っていることを考えると、塗装された車体の総数自体は多いといえるでしょう。

全体の車両数に占める比率

車体が塗装された車両が270両もいることは分かりましたが、在籍車両全体に占める比率はどれぐらいなのでしょうか。
現時点で在籍している車両を基準として、計算してみたいと思います。

記事を公開する時点で車籍がある車両をまとめると、以下のとおりとなります。

8000形:124両
1000形:98両
2000形:72両
30000形:70両
3000形:346両
クヤ31形:1両
50000形:20両
4000形:160両
60000形:42両
70000形:14両
5000形:120両
合計:1,067両

形式別の両数はこのような結果となり、2020年度末には1,091両も在籍していたことを踏まえると、保有車両数が減りつつあることを実感します。
しかし、最終的には保有車両数を80両も削減するとされているため、さらに廃車が進むことを意味しているのかもしれません。

さて、肝心の車体が塗装された車両の比率ですが、全体の約25%という結果になり、4両に1両ぐらいが該当することとなります。
普通鋼製の車体に絞った場合には約18%で、今後8000形が完全に引退した場合には、ロマンスカーの増備状況にもよりますが、10%を切ってくるものと思われます。

おわりに

ステンレスの無塗装車体が増加したことで、鉄道車両は銀色というのが一般的になりました。
しっかりと塗られた車両が減っていくのは寂しいものですが、これもまた時代の変化ということなのでしょうね。