再開発による超高層ビルへの建て替えが始まり、話題が多い小田急の新宿駅。
地上と地下にホームが分かれる構造となっていることが特徴で、1960年代には現在と同じ立体化された状態が生まれていました。

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立体化される前の新宿は、当然のことながら地上だけにホームが設けられており、空も見える状態でした。
地上にだけホームがあった頃は、現在と異なりホームの番号が9から始まっていましたが、それはなぜだったのでしょうか。

地上にだけホームがあった新宿駅

大規模な改良工事が行われる前の新宿は、地上にだけホームがある状態でした。
地下にもホームがある現在の状態からは想像ができませんが、当時は同じ広さの土地に4本の線路を通し、合計で4つのホームが設けられていました。

ホームの配置にはやや特徴があり、外側にある2線にのみ両側にホームがある状態で、内側の2線は片側にのみホームがありました。
向ヶ丘遊園の待避線の外側に、ホームを追加で配置した状態と表現すれば、分かりやすいかもしれません。

現在とは異なり、全てのホームに対して番号が振られる状態とはなっておらず、今はロマンスカーが発着しているホームのほうから、9番、10番、11番、12番と振られていました。
両側にホームがある線路においては、片方が降車専用となるのは現在と同様ですが、個別の番号は振られていなかったようです。

ホームが9番から始まっていた理由

9番ホームから始まっていた小田急の新宿ですが、なぜ1番からではなかったのでしょうか。
かなりの番号が飛ばされてしまっている状態ですが、その背景には国鉄の存在がありました。

国鉄からJR東日本となり、現在も小田急のホームから各路線の車両が確認できますが、改良工事前も同様に駅は隣接していました。
当時の国鉄は8本の線路に4つのホームがあり、1番線から8番線が存在していたのです。
小田急は国鉄からの続きとされたため、9番ホームから12番ホームまでとなりました。

続きの番号は小田急で終わらず、そのまま京王の新宿駅にも繋がっており、13番線から16番線となっていました。
現在も小田原駅で見られるような番号の振り方ですが、立体化の際に小田急独自の番号とされ、通常どおりの1番ホームから始まるようになっています。

おわりに

横にホームが並び、現在のように小田急と国鉄を隔てる壁がなかった当時において、番号が続いているのは自然なことだったのかもしれません。
再開発で久々に大きな変化がありそうな新宿ですが、今度はどんな風景となっていくのでしょうか。