小田急ロマンスカーの主力車両として、最大10両編成で活躍する30000形と60000形。
4両と6両に分かれて走行できることや、使い方に柔軟性があるという点で似ている両形式は、既に圧倒的な多数派となっています。

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車齢には10年以上の開きがあり、30000形にはリニューアルが行われているといった違いがあるものの、今後の展開次第では置き換えの時期が重なってくる可能性があるかもしれません。

30000形と60000形の現状

日常利用の比重が高くなったロマンスカーにおいて、30000形と60000形が活躍するシーンは多く、主力車種としての活躍が続いています。
30000形については、リニューアルによってEXEからEXEαに変わった編成も多く、車齢の割に良好な状態を保つ編成が多い状況です。

両形式が登場した時期は、30000形が1996年、60000形が2007年となっていますが、30000形の最終増備車が1999年であるのに対して、60000形は2015年となっており、編成単位では20年近い開きがあります。
30000形は2016年度からリニューアルが開始され、現在までに5編成が装いを新たにしていますが、残りの2編成は未更新のまま引退する可能性が高くなってきました。

現状についてまとめると、30000形は登場から約27年、リニューアルの開始から約6年で、60000形は登場から約15年となっているものの、増備時期には幅があるということになります。
30000形の未更新車は、今後もリニューアルが行われない限りは早期に引退すると予想されますが、それ以外の車両は当面活躍を続けるものとみられます。

置き換え時期が重なる可能性

小田急と箱根登山線内で活躍する30000形、東京メトロの千代田線やJR東海の御殿場線にも乗り入れる60000形は、走行する範囲に違いがあるものの、ロマンスカーの中では共通点が多い形式です。
30000形の残りの編成や、60000形に今後リニューアルが行われるのかどうかは気になるところですが、ロマンスカーの編成数に余裕があるとはいえないため、置き換えのみで対応する可能性もあります。

仮に60000形のリニューアルを行わないとした場合には、あと10年ほどで車齢が25年に達することから、置き換えが想定される時期となってきます。
そして、30000形の更新車についても、10年後はリニューアルの開始から15年を超えてくるため、こちらも置き換えの時期となってくるのです。

60000形のリニューアルを行うか行わないかに左右されますが、置き換えの時期が重なるか、または連続する可能性が出てきており、通勤型車両の置き換えが一段落する頃に、ロマンスカーの大量置き換えが発生するのかもしれません。
お金の問題を除けば、車種を統一するチャンスでもあるため、4両と6両を組み合わせるというスタイルを維持するかどうかも含めて、新しいことにも取り組めそうです。

おわりに

多くの車両を更新してきた方針に変化が生じたことで、30000形と60000形の置き換え時期にも気になる状況が生まれつつあります。
8000形と1000形の関係に似ている要素もありますが、果たしてどのような未来が待っているのでしょうか。