定期的に新型車両をデビューさせ、古い車両の世代交代を行っている小田急。
新しい車両は、メーカーで製造された後に他社の線路を経由して運ばれ、最終的に小田急へと入線します。

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日本国内には鉄道車両の製造をしている会社が多数ありますが、小田急の車両はどこのメーカーが造っているのでしょうか。

3社で製造される小田急の車両

現在は1,000両を超える車両を保有している小田急ですが、老朽化した車両の置き換えを行うため、定期的に新車がメーカーで製造されています。
相当な昔や一部の例外を除けば、小田急の車両は3社での製造が基本となっており、長年に渡って続いてきました。

合併や社名変更があり、各社が現在の状態に至るまでには複雑な系譜を辿っているものの、小田急の車両は伝統的に以下の3社で製造されています。

・川崎車両
・総合車両製作所
・日本車輌製造

一部に例外はありますが、川崎車両は兵庫県神戸市、総合車両製作所は神奈川県横浜市、日本車輌製造は愛知県豊川市の工場で車両が製造され、機関車に牽引されて小田急に運ばれます。
小田急線内には夜中になってから入ってくるため、搬入時の様子が沿線の人目に触れることはほとんどありません。

形式によって異なる車両メーカーの偏り

伝統的に3社での製造が行われてきた小田急の車両ですが、形式によってメーカーには偏りがあります。
車両の種類や登場の背景が影響しているようで、調べてみると面白い部分です。

まず、ロマンスカーは日本車輌製造と川崎車両での製造が基本となります。
3000形(SE)よりも前の車両には当てはまらない法則ですが、流線形の車体になってからは例外がありません。
製造工程の都合からか、近年は日本車輌製造にまとめられており、50000形(VSE)以降の車両が該当します。

通勤型車両の場合も、基本的には日本車輌製造と川崎車両が中心になりますが、現在は総合車両製作所となっている東急車輛製造が、1966年から増加傾向となってきます。
各形式の一部を製造するケースが多いものの、新旧の4000形についてはほとんどを担当しており、これらの車両が登場した背景が影響しているといえるでしょう。

近年はロマンスカーを日本車輌製造にまとめているためか、通勤型車両は他のメーカーが多めといった傾向がある印象です。
5000形は現在のところ川崎車両が多数派となっていますが、今後はどのようになっていくのでしょうか。

おわりに

長年に渡る伝統として、3社での製造が続いている小田急の車両。
形式や時期で偏りはあるものの、全体的には3社である程度均等になっているのが面白く、バランスを考えつつお願いしているのかもしれませんね。