朝のラッシュ時にのみ運行され、多摩線から新宿へと向かう小田急の通勤急行。
2018年3月17日のダイヤ改正で登場した種別ですが、今日まで運行時間帯は変化していません。

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通勤急行は、種別名に「通勤」という文字が含まれますが、帰宅ラッシュの時間帯には運転されていません。
朝以外にも通勤急行を設定することに価値はあるのか、少し考えてみたいと思います。

快速急行に混雑が集中しがちな帰宅ラッシュ

徐々に社会が正常化する中、数年前ほどではないものの、ラッシュ時間帯の混雑が戻ってきました。
2022年のダイヤ変更では、帰宅ラッシュ時間帯においても減便が行われていますが、快速急行が混んでいるという声を耳にする機会が増えたように感じます。

ダイヤ変更以前から、快速急行が混む傾向自体はあったものの、唐木田行きが存在していたことや、藤沢行きの急行もあったためか、今よりは混雑が分散していたような記憶があります。
列車の本数自体が減っているため、以前より混むのは当然という側面もありますが、急行や準急に対して、快速急行はかなり混んでいる印象です。

急行の全列車が経堂に停車するようになり、体感的にも遅いと感じるためか、快速急行に集まってしまっているように思います。
快速急行に乗れば、新百合ヶ丘で多摩線の各駅停車にも乗り換えられるため、空いているという要素以外に急行を選ぶ理由がなくなってしまったのかもしれません。

通勤急行を夕方以降に設定する価値を考える

減便を行う前のダイヤにおいては、帰宅ラッシュの時間帯に通勤急行を設定する価値はほとんどなかったものと思われます。
しかし、快速急行に混雑が集中しやすい状況となった現在においては、以前よりも設定する価値があると考えています。

そのように考える理由が、急行の中途半端な立ち位置です。
急行に乗ってほしい利用者が快速急行に流れており、急行の役目はある程度準急でも果たせるためです。
現在の急行を通勤急行に置き換えた場合、快速急行への集中が解消できる可能性があるのではないでしょうか。

この場合に不利益を被るのは、急行がなくなることで準急を使うようになる方ですが、通勤準急にするという手もあるかもしれません。
準急を通勤準急にした場合には、各駅停車を使わなければいけない方が発生しますが、このあたりのバランスは難しい部分といえます。
いずれにしても、快速急行の混雑状況を踏まえた場合、増便をせずにそれを解消する手段がないか、色々と考えてみるのも面白そうです。

おわりに

仮に通勤急行が夕方以降に走る場合、全てを多摩線に流す理由はないでしょうから、新百合ヶ丘以西を走る列車が見られるのかもしれません。
朝のラッシュ時と比較して、帰宅ラッシュのダイヤはまだ調整の余地がありそうで、何か改善できる手はないのでしょうか。