小田急から富士山麓電気鉄道(富士急行線)に譲渡され、フジサン特急として活躍している8000系。
20000形(RSE)として活躍した車両は、富士山の近くを今も元気に走っています。

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新型コロナウイルス感染症の影響により、近年は運休等が続いていましたが、2023年3月18日のダイヤ改正以降は平日の運転が復活し、毎日元気に活躍する姿が見られるようになります。

小田急から富士急行に譲渡されたRSE

JR東海の御殿場線に乗り入れるための車両として、1991年に営業運転を開始した小田急のRSEは、中間にダブルデッカー車を組み込んだ意欲的な車両でした。
ロマンスカーの定番である前面展望席は設けられていないものの、通常より床が高いハイデッカーを採用し、車両からの眺めは素晴らしいものがあります。

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あさぎり号を中心に、ロマンスカーの名脇役として活躍したRSEでしたが、自慢のハイデッカーがバリアフリー対応の妨げになること等から、2012年に惜しまれつつ小田急での営業運転を終了しました。
幸いなことに、引退後は富士急行(現在の富士山麓電気鉄道)に1編成が譲渡され、フジサン特急として第二の人生を歩むこととなりました。

譲渡にあたっては、ダブルデッカー車を含まない3両編成に短縮され、中間車の床面を一部下げることで、バリアフリー化も行われました。
車体にはフジサンのキャラクターが多数描かれており、小田急時代とは違った賑やかな外見となっています。

フジサン特急が平日運転を再開

譲渡後はフジサン特急として元気に活躍してきたRSEですが、新型コロナウイルス感染症の流行により運休を余儀なくされ、2020年4月25日以降は走らなくなってしまいました。
観光需要が戻らない中で運休は長引きましたが、2022年3月12日のダイヤ改正で定期運行が復活し、土休日だけながら再び元気に走る姿が見られるようになりました。

社会がようやく正常化へと向かいつつある中、2023年3月18日からは平日の定期運行も復活することとなり、原則として毎日走る姿が見られるようになります。
ダイヤ改正当日からは指定席車両も増加し、着席サービスの拡大が図られます。

中央本線の大月から河口湖までを走る富士急行線は、富士山に一番近い鉄道路線です。
小田急沿線からは少し遠いですが、懐かしのRSEに会いに出かけてみてはいかがでしょうか。

おわりに

小田急では短命に終わってしまったRSEですが、富士山の近くで8000系として大活躍しています。
富士急行線には相棒である元JR東海の371系も走っており、懐かしい車両の共演を見ることができるのも魅力の一つとなっています。