昔のように大きな愛称表示器が前面に設けられなくなり、ややシンプルなデザインとなっている小田急のロマンスカー。
何かの節目や記念時には、そのシンプルな前面を活かしてヘッドマークが掲げられますが、60000形(MSE)と70000形(GSE)に対して、周年を記念したヘッドマークが掲出されると発表されました。

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50000形(VSE)が定期運行を終了する等、明るい話題が少なかったロマンスカーですが、少しずつ日常が戻りつつあるのかもしれません。

MSEとGSEに周年記念のヘッドマークを掲出

ロマンスカーのMSEとGSEは、それぞれ2008年と2018年に営業運転を開始しました。
2023年は両形式にとって節目の年であり、MSEは就役から15周年、GSEも同様に5周年となります。

MSEとGSEの周年を記念して、「未来に向かって走り続ける」をコンセプトにデザインされたヘッドマークが、約1年に渡って車両に掲出されることとなりました。
掲出期間は、MSEが2023年3月31日から2024年3月14日まで、GSEは2023年3月29日から2024年3月16日までの予定となっています。

嬉しいことに対象は全編成で、MSEは4両と6両を合わせて8編成、GSEは2編成にヘッドマークが掲出されることとなります。
掲出期間内において、順次掲出の開始と撤去を行うようなので、開始直後と終了間際については、掲出されない編成があるようです。

明るい話題が意味すること

ヘッドマークの掲出に関するリリースを見て、MSEとGSEの両方を対象にしてきたことや、全編成に掲出するという勢いに驚きました。
コロナ禍になって以降、できる限りのコスト削減が行われてきた印象が強く、ヘッドマークの掲出がなかったわけではないものの、最低限にしていると思われたからです。
新年の恒例となっていた干支のヘッドマークも掲出されなくなり、やや寂しい状況が続いていました。

世の中がようやく正常化しつつある中、落ち込んだ定期旅客がなかなか戻らない苦しさはありますが、少しずつ見通しが明るくなりつつあるのかもしれません。
以前のような状況に戻ることはおそらくないのでしょうが、このような賑やかしをする機会が増えていけば、それだけ世の中も明るくなるのだと思います。

2023年は秋にVSEの引退も控えています。
既に定期運行が終了しているとはいえ、臨時列車等で比較的見る機会は多く、完全な引退はやはり寂しいものとなります。

そのような状況下において、残る車両で明るい話題を提供し、ヘッドマークのデザインに「未来に向かって走り続ける」というコンセプトを掲げたことには、何らかの意図が隠れているといえるのではないでしょうか。

おわりに

2023年度のMSEとGSEは、ヘッドマークを掲げて走り回ることになりました。
引退するVSEの後輩にあたるMSEとGSEは、新しい車両がデビューするその日まで、大切な思いを伝えていく役割を担うのかもしれませんね。