2022年度からリニューアルが開始され、既に3265Fと3266Fへの施工が完了している小田急3000形。
試運転が行われつつも、なかなか営業運転に復帰しない状況が続いていましたが、ついに3266Fが運用に入りました。

リニューアル後の姿からは、小田急が今後何を目指しているのかが読み取れますが、それはどのようなことなのでしょうか。

3266Fが営業運転に復帰

1000形の後を受けてリニューアルが始まった3000形は、2022年度内に3編成が完了する予定となっています。
現在までに3265F、3266F、3268Fの順番で進められ、来年度分と思われる3267Fも既に入場しています。

リニューアルが完了した3265Fは、最初の編成らしい念入りな試運転が行われていましたが、なかなか営業運転には復帰しない状況が続いていました。
そんな中、続いて出場した3266Fが2023年3月24日より営業運転に復帰し、施工の順序とは異なる展開となっています。

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外見上の変化は少なく、一般の利用者からは見分けがつかない程度ですが、前照灯のLED化や側面上部に追加された車両番号が目立つ変更点となっています。
営業運転への復帰が遅れている3265Fの状況が気になりますが、どこか不調なところがあるのかもしれません。

リニューアルの内容は全体的に簡易化されており、主要な機器の交換や老朽化した部分の補修が中心となっています。
1000形や8000形と比較すると、内容は明らかに簡易的なものとなっていますが、その分施工のペースは上がるものとみられます。

単独運用専用編成となった3266F

簡易的な内容となった3000形のリニューアルですが、重要な変更点が隠れています。
3000形の6両は、新宿方の先頭車に電気連結器を備えており、他の車両と繋いで10両で運転することが可能ですが、リニューアルを終えた編成はその装備を撤去しているのです。
つまり、リニューアル後の編成は単独運用専用とされ、専ら6両の運用で走ることになります。

6両で他の編成と併結運転をしないというケースは、冷房化前の2600形以来ということになりますが、長い年月を経て3000形で復活することとなりました。
3000形は、初期の編成や8両が更新対象から外れていると思われる動きを見せており、8000形に6両の編成が残っているうちに、3000形の6両を優先的にリニューアルする方針なのかもしれません。

さて、6両に単独運用専用編成が出てきたということは、今後の運用面において重要な意味を持ちます。
最終的に全ての編成をそうするのかはまだ分かりませんが、4両を増結して10両で運転する光景は、ロマンスカー以外で見られなくなる可能性が高まってきました。
中間に先頭車が入ってしまう状態をなくし、全ての車両間を行き来できるようにしたいものと思われますが、その時期は意外に早く訪れるのかもしれません。

おわりに

8000形や1000形と比較して更新内容が簡易化されたこともあり、3000形は次々に更新車が登場することになりそうです。
6両以外の編成がどうなるのかも気になるところですが、しばらくは6両のリニューアルを優先することになるのでしょうか。