小田急線内で運行される優等列車の中で、主流となっている急行と快速急行。
速達性が高いのは快速急行で、急行はそれよりも停車駅が多いというように、役割が異なる列車種別です。

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快速急行が小田急に登場してから、既に20年近くが経過しようとしていますが、その役割も時代に合わせて変化してきました。
急行と快速急行には、どのような違いや役割があるのでしょうか。

変化を続ける急行と快速急行の役割

昭和の終わりから平成の初期にかけて、特急を除いた最上位の列車種別は急行でした。
そのような状況に変化が生じたのは2002年のことで、江ノ島線内の停車駅を急行よりも減らした湘南急行の登場により、優等列車の速達化がスタートすることとなります。

江ノ島線内の速達化に貢献した湘南急行でしたが、2004年には発展させた列車種別として快速急行が登場し、小田原線内についても停車駅の削減が図られました。
しかし、優等列車の中心はあくまでも急行であり、同格である多摩急行も合わせつつ、多数派を構成することとなります。
速達化は図られたものの、快速急行は急行を補完する上位の列車種別という立ち位置でした。

急行と快速急行の役割が大きく変化したのは2016年のことで、快速急行を中心として急行がそれを補完する役割となり、遠近分離の色がより一層濃くなりました。
快速急行の運行本数は倍増し、少し待てば乗れる列車となったことで、新百合ヶ丘以西の利用者が常用する列車種別となっています。
元々は日中を中心に運行されていた快速急行は、この頃からラッシュ時にも活躍の場を広げるようになり、複々線化の完成後はラッシュ時においても主力となっています。

急行と快速急行の違い

役割が分かれている急行と快速急行ですが、遠近分離が徹底できていない面もあり、快速急行の混雑度が高い傾向にあります。
急行と快速急行の大きな違いは停車駅と速達性ですが、長距離を乗り通した場合でも10分以上の差はつきにくいのが実情です。

快速急行は長距離を走る列車が多いのに対して、急行は区間運転も多く設定されているという違いもあり、他方面に向かう快速急行の受け先や、通過駅の利便性を高める列車として、急行はフレキシブルな運用が組まれています。
このような違いから、快速急行が全列車を10両で走らせているのに対して、急行には6両や8両で運行する列車も存在し、そういった面からも補完する役割であることが分かります。

長距離の乗車は快速急行、短距離は急行というのが基本的な使い方ですが、朝ラッシュ時間帯のピーク時前後や、帰宅ラッシュ時の急行は運転区間が長くなることから、比較的混雑を避けられる列車として利用することも可能です。
時間帯によっても立ち位置が変化するのが急行の面白い点で、上手に利用することで快速急行よりも快適に移動できるケースがあるといえるでしょう。

おわりに

停車駅と速達性の違いから、どうしても乗客が集中しやすい快速急行。
区間運転が増えたことで遠近分離がしにくくなりましたが、ラッシュ時を中心に急行の優位性もあるといえそうです。