小田急では3番目に利用者が少なく、戦後に生まれた比較的新しい駅の螢田。
駅の周辺は住宅地となっており、近年は利用者が増加傾向となっています。

螢田の駅舎は上り線側の地上にありますが、リニューアルの際にあるものをイメージしてデザインされました。
現在も使われているその駅舎は、いったい何をイメージして造られたのでしょうか。

1989年にリニューアルされた駅舎

終点の小田原から2駅目の位置にある螢田は、1952年4月1日に開業した戦後生まれの駅ですが、戦時中には仮の駅として営業した時期もあったようです。
現在もホームは6両分しかなく、駅舎が地上にある昔ながらのスタイルで、上下線のホームは跨線橋で結ばれています。

改札口は小田原方に設けられており、下りホームが東口、上りホームが西口となっていますが、駅舎は西口側にあります。
改札口に隣接して踏切があるため、実質的にはこれが構内踏切のようになっており、跨線橋を使わずにホームへと入ることも可能です。

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螢田では1988年10月から駅の改良工事が始まり、1989年3月12日に完了しました。
戦後生まれの駅ということもあり、元々近代的な駅舎が使われていましたが、リニューアル後は鉄骨の立派な建物に生まれ変わっています。

蛍をイメージしたドーム型の屋根

改良工事によって一新された駅舎は、屋根に設けられたガラス張りのドームが特徴となっています。
これは螢をイメージしてデザインされたもので、夜間にはドーム部分が蛍のように光り、やや抽象的なデザインではあるものの、駅名に合わせた粋な演出といえるでしょう。

駅舎のリニューアル以外にも、改良工事では車いす用のスロープやトイレが設置され、バリアフリー化が図られました。
点字ブロックが設置されたのもこのタイミングとなっており、現代では当たり前となっている設備は、改良工事によって整備されたことになります。

おわりに

駅の周辺が蛍の名所であったことから、螢田という素敵な駅名が誕生しました。
蛍の保存活動等も行われているようなので、駅側でも何かできたら面白いかもしれませんね。