朝のラッシュ時にのみ運行され、多摩線内から新宿を目指す小田急の通勤急行。
同格の快速急行とは停車駅が異なることが特徴で、新百合ヶ丘からは千鳥停車とすることで、混雑を分散させる狙いがあります。

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多摩線内を始発駅としている関係もありそうですが、快速急行と比較して通勤急行は若干空いている印象です。
所要時間が短いのは快速急行というイメージですが、同格とされる通勤急行との差はどれぐらいあるのでしょうか。

快速急行と通勤急行の違い

平日の朝ラッシュ時に運転される通勤急行は、快速急行が停車しない駅の利便性を高めつつ、速達性を実現する役割を担う列車種別です。
運転される区間も限定されており、多摩線内の唐木田か小田急多摩センターを始発駅とし、新百合ヶ丘から小田原線に合流するダイヤが組まれています。

通勤急行の特徴は停車駅にあり、新百合ヶ丘を起点に快速急行と通勤急行の比較を行うと、以下のとおりとなります。

快速急行:新百合ヶ丘・登戸・下北沢・代々木上原・新宿
通勤急行:新百合ヶ丘・向ヶ丘遊園・成城学園前・下北沢・代々木上原・新宿

停車駅を見ると、快速急行が停まらない駅の利用者は通勤急行が拾い、役割を分けていることが分かります。
千鳥停車ではあるものの、通勤急行の停車駅が一つ多いため、快速急行のほうが速達性が高いと見えるのかもしれません。

所要時間の差はあるのか

停車駅の数が異なる快速急行と通勤急行ですが、所要時間に差はあるのでしょうか。
通勤急行は1日に9本だけ運転されますが、それぞれの前を走る快速急行と比較をすれば、どちらに速達性の面で優位性があるのかが分かりそうです。

運転区間が重なる新百合ヶ丘の発車時刻を基準として、新宿までの所要時間を比較すると、以下のとおりとなります。

快速急行(6時42分発):25分
通勤急行(6時48分発):28分

快速急行(7時1分発):28分
通勤急行(7時5分発):32分

快速急行(7時16分発):30分
通勤急行(7時17分発):31分

快速急行(7時25分発):31分
通勤急行(7時27分発):30分

快速急行(7時36分発):30分
通勤急行(7時37分発):31分

快速急行(7時45分発):31分
通勤急行(7時47分発):30分

快速急行(7時56分発):30分
通勤急行(7時57分発):31分

快速急行(8時6分発):31分
通勤急行(8時8分発):30分

快速急行(8時18分発):30分
通勤急行(8時21分発):29分

比較した結果はご覧のとおりで、早い時間帯の2本を除けば、他の列車には差がないといえます。
ラッシュ時は列車の本数が多く、複々線を駆使しても若干の詰まりが発生するため、停車駅の数はほとんど影響しないようです。

おわりに

所要時間の面でも、快速急行と同格となっている通勤急行。
新年度は電車が混雑し、快速急行への集中も発生しやすい印象ですが、通勤急行を上手に使うことで混雑が分散できるため、新百合ヶ丘以西の利用者は積極的に使っていきたいものですね。