全ての駅で構内の通路が立体化され、構内踏切が消滅している小田急線。
現在は遺構すらもほとんどなくなっており、遠い過去の設備となりつつあります。

小田急で最後まで構内踏切が残っていたのは足柄ですが、他にはどの駅に遅くまで残っていたのでしょうか。

足柄駅に残る構内踏切の遺構

終点の小田原から一駅の位置にある足柄では、構内踏切の遺構を見ることができます。
足柄は小田急で最後まで構内踏切が残った駅であり、跨線橋の完成により役目を終えました。

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構内踏切の遺構があるのは上りホームの新宿方で、やや不自然な階段があります。
ホームの端に柵が設置されており、階段に足を踏み入れることはできませんが、かつてその先には遮断機があったことになります。

下りホームには改札口とホームを繋ぐ階段があり、これも構内踏切の名残といえそうですが、綺麗にされており面影はありません。
ホームの延長等によりこういった遺構は姿を消しており、後年まで構内踏切が残ったことが幸いしたといえそうです。

1976年度末の時点で残っていた構内踏切

足柄に残っていた構内踏切は、1987年10月20日に跨線橋の使用が開始されたことで廃止されました。
これが小田急で最後の構内踏切となりますが、それ以前の状況はどうなっていたのでしょうか。

1976年度末の状況を確認してみると、富水、螢田、足柄の3駅に構内踏切が残っていたようです。
小田急から構内踏切が消滅する10年以上前の時点で、既に相当少なくなっていたことが分かります。
さらに、1981年度末の時点でも足柄のみとなっていたようで、富水と螢田の廃止時期は不明なものの、足柄だけが遅くまで残っていたことになります。

おわりに

安全性を高めることを目的として、次々に立体化されて姿を消した小田急の構内踏切。
立体化後は橋上駅舎や跨線橋に姿を変え、いつしかそれが当たり前の世の中となりました。