2018年に70000形(GSE)が営業運転を開始し、現在も最新型となっている小田急のロマンスカー。
前面展望席のイメージが強いロマンスカーですが、2023年中には50000形(VSE)の引退が予定されており、その後はGSEが前面展望席を備える唯一の存在となります。

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鉄道ファンにとっても、利用者にとっても、少々寂しい状態になることは間違いないといえますが、新型のロマンスカーは計画されているのでしょうか。
現在の状況をヒントに、その可能性を考えてみたいと思います。

2027年に開業100周年を迎える小田急

VSEが完全に引退すると、ロマンスカーのラインナップはやや寂しい状態となります。
早期に引退となることが元々の想定だったのか、それとも予定より早まったのかは分かりませんが、新型のロマンスカーは既に計画されている可能性が高いと考えられます。
その理由の一つとしてあげられるのが、2027年に小田急が開業100周年の節目を迎えるという事実です。

過去を振り返ってみると、60周年の際には10000形(HiSE)、70周年の前年には30000形(EXE)、80周年の翌年には60000形(MSE)、同様に90周年の翌年にはGSEが営業運転を開始しており、節目の前後で新型ロマンスカーが登場してきた歴史があります。
GSEに関しては、登場の5年ほど前から計画が具体化したようですが、その時期には7000形(LSE)にD-ATS-Pを設置する改造が行われ、前面の窓枠も銀色に戻されました。

さて、今の状況はどうなっているのかというと、未更新のままでEXEが2本だけ残っています。
LSEをGSEに置き換えた際と状況は似ており、EXEには延命と思われるような工事も行われています。
このことからも、新型ロマンスカーの計画は既に具体化しつつあり、EXEは登場までの繋ぎとして残された可能性が高いといえるでしょう。

予想されるロマンスカーのタイプ

開業100周年を迎えようとしていることや、現在の状況を加味すると、遠くない時期に新型ロマンスカーが登場する可能性は高そうです。
そこで気になるのが、新型車両はどのようなタイプで登場するのかという点でしょう。
GSEのように観光要素が強めなのか、それともMSEのように日常要素が強めなのか、やはり気になるポイントです。

これについては、EXEを更新せずに残したという背景から、観光寄りのタイプとなる可能性が高いと考えられます。
日常要素が強い車両の場合、2編成だけを増備するとは考えにくく、EXEの2編成をリニューアルでEXEαにしてしまえば、車種の統一も図れるためです。

さて、EXEの2編成を置き換えることを前提とした場合、GSEを増備する可能性も考えられます。
完全にこの可能性を否定することはできませんが、仮に開業100周年の時期に増備を行うとした場合、初登場からかなり期間が開いてしまうため、少々考えにくいように思います。
延命と思われる工事が行われたEXEを、たったの1年や2年で置き換えることも考えにくく、新型が登場する可能性が高いのではないでしょうか。

おわりに

VSEが引退することで、ロマンスカーのラインナップは一気に寂しくなります。
仮に新型ロマンスカーを登場させる計画の場合、それをいつ公にするのかも気になるところですね。