2022年度からリニューアルが開始され、現在までに3編成が出場した小田急の3000形。
近年のリニューアルと比較した場合、やや内容が簡易化されている印象を受けますが、ポイントを絞っているともいえそうです。

出場した3編成は営業運転に復帰していますが、更新前とはどのような変化があったのでしょうか。

営業運転に復帰した3編成

1000形の後を受けて、2022年度からリニューアルが開始された3000形は、6両の編成から工事が進められています。
リニューアルの最初ということもあってか、営業運転への復帰は2023年になってからで、3月24日に3266F、3月31日に3265F、4月20日に3268Fが復帰し、短期間に3編成が出揃いました。

2023年度分になると思われる次の編成は既に入場しており、6両の3267Fに対して工事が進められているようです。
引き続き6両の3263F以降の編成が対象になると思われますが、まずは番号が比較的若い編成が選ばれるのでしょう。
現状は計画の発表を待つ段階ですが、2023年度も3編成程度が更新対象になってくるものと思われます。

リニューアルによる変化

簡易化されたと思われる3000形のリニューアルですが、意外と各所に手が入れられていることに気付きます。
全ての項目を把握することは困難といえますが、分かりやすい部分を中心に確認してみることとしましょう。

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まずは外見上の変化ですが、前照灯がLED化されたのが目立つ程度で、それ以外の点では大きく変わったようには見えないかもしれません。
実際には、LED表示器の交換や、新宿方先頭車の電気連結器を撤去するといった改造が行われました。
屋根上に目を向けると、冷房装置に手が入れられているほか、小田原方先頭車にあるラジオの放送電波を受信するアンテナが撤去されています。

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ホームドアの設置に対応する変更も目立ち、5000形と同様に車体の上部にも車番が追加され、車端部には非常用のドアコックが設けられました。
足回りについては、制御装置や補助電源装置といった主要機器が交換されています。
3265Fのみは側扉の交換が行われましたが、他の編成では元のままとされており、何らかの理由により交換を省略することになったようです。

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車内に移ると、各車両に設けられたフリースペースが目立ちます。
盲導鈴の設置や、ドア付近の床を黄色にする等、最新車両に合わせた変更も行われました。

座席については交換され、更新前と比較して座り心地が改善されています。
細かい部分では窓枠等が塗り直されており、全体的に綺麗になった印象を受けますが、化粧板の交換は行われませんでした。
リニューアルとは関係なく進められている部分でもありますが、ドア上には液晶画面が設置され、室内灯は防犯カメラ付きのLEDとなっています。

おわりに

1000形ほどの規模ではありませんが、3000形においてはバランスのよいリニューアルが行われた印象です。
目立つ変化が少ないため、外見に意図的な違いを設ける等して、もう少しアピールをしてもよいのではないかとも感じました。