2022年度からリニューアルが開始され、完了した3編成が営業運転に復帰している小田急3000形。
現状は6両を優先して進めている様子で、3次車以降の編成が対象となっているようです。

大所帯の3000形には、他にも8両や10両の編成が存在しますが、それらの編成にもリニューアルは及ぶのでしょうか。

施工ペースから導かれる完了時期

リニューアルが開始された3000形は、2001年に最初の編成が登場しました。
2003年には3次車が登場しているため、対象編成という観点では、19年後からリニューアルが開始されたと捉えることができます。
1000形に比べれば着手の時期が早く、適切なタイミングだったといえそうです。

2022年度にリニューアルが行われたのは6両の3編成で、2023年度についても6両が3編成と発表されました。
これらのペースから計算すると、仮に3次車以降の6両編成を全て更新するとした場合には、5年程度を要するものと考えられます。

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使い道が限られる8両については、リニューアルをせずに廃車となる可能性が高いため、6両に続いて10両がどのように扱われるのかが気になるところです。
10両編成は合計で120両となっており、仮に全編成を更新するとした場合には、7年程度を要することになります。
完了する時期の車齢は30年近くに達するため、全編成に行えるのかという点では少々怪しく、3081Fから3087Fまでを対象とする可能性もありそうです。

鍵を握る初期車の廃車時期

3000形の10両がどこまで更新されるのかを考えるにあたって、鍵を握るのが6両の存在です。
初期車の12編成については、リニューアルをせずに廃車となる可能性が高いとみられますが、これらの編成を廃車にするということは、同時に6両編成の新造車が必要ということになります。
つまり、遅かれ早かれ6両を増備する必要があるとなると、3次車以降の6両を全て更新せず、一部は廃車とする選択肢もありえます。

仮に3次車以降の6両を全て更新しない場合、10両のリニューアルにも早く着手できることになるため、120両を対象とする可能性が高まります。
10両の全車両を更新対象外とする可能性もないとはいえませんが、考えにくい選択肢といえます。
いずれにしても、2000形のような延命措置を行う可能性はあるものの、リニューアルをせずに廃車となる3000形が出るのは間違いなく、初期車や8両の動向も含め、気になる存在となりそうです。

おわりに

8000形や1000形とは異なり、割り切ったリニューアルが行われるようになった3000形。
かつてない大所帯である3000形に対して、小田急は今後どのように向き合っていくのでしょうか。