全体の半数がリニューアルされ、全98両が現在も元気に活躍する小田急1000形。
1000形はバリエーションが豊富な形式でしたが、4両と10両に再編されたことで、比較的シンプルな陣容となりました。

廃車や組み替えにより、1000形で最も多かった4両は7編成が残るのみとなりましたが、その編成数にはやや不思議に感じる部分があります。

7編成が残る1000形の4両

各駅停車を8両化するため、1000形には多くの4両が登場しました。
ワイドドアを合わせると、その編成数は25本にも及び、多くが2編成を組み合わせた8両で使われました。
しかし、3000形によって8両の固定編成化が進められたことで役割が変化し、ワイドドア車については6両に組み替えられました。

残った編成については、6両と組んだ10両での活躍が中心となりますが、リニューアルの際には10両への組み替えが行われ、結果的に3編成が10両へと姿を変えています。
最終的には7編成が4両のままリニューアルを行い、残った編成は廃車となってしまいましたが、10両化が途中で中止されたと思われることや、リニューアル自体も計画変更により途中で終了しており、実際にはもう少し多くの4両が残る予定だったと思われます。
リニューアルが行われた編成の分布が明らかにおかしく、計画変更の名残となりました。

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箱根登山線内で4両が必要なことから、1000形の4両は確実に長く使われるものと思われますが、不思議なのは7本という中途半端な編成数です。
10両化の中止後にも4両のリニューアルが行われているため、この編成数は狙ってのことだと思われますが、どのような意味を持つのでしょうか。

編成数が示す意味を考える

1000形の4両は、4編成が箱根登山線内の運用に、残る3編成は8両や10両の予備車として使われています。
8両の場合は2編成を併結し、10両の場合には3000形とペアを組んで使われます。
リニューアルからの年数が浅い車両に対して、ややもったいない使い方をしているのが実情であり、どのような狙いが当初はあったのかが気になるところです。

見方を変えれば、予備車として都合がよい存在ともいえますが、8両は将来的になくなりそうなことや、3000形がリニューアルの際に併結する装備を撤去しているため、現在の役割はいずれなくなってしまうかもしれません。
その段階で一部を廃車にする可能性もありますが、4両自体の予備車がぎりぎりになってしまうリスクもあります。

箱根登山線内では、今後ワンマン化の試験運用が行われますが、これを小田原線や江ノ島線の末端区間にも拡大するとしたら、7編成という数字は意味を持ってきます。
小田原線であれば、新松田から箱根湯本までを直通運転化すれば運用効率がよくなり、江ノ島線についても使用する編成を限定できます。

全てを1000形でまかなうことはできないため、実施するとしてもどちらかとなりますが、ワンマン化と絡めればメリットがありそうです。
4両化による混雑は課題となりそうですが、将来的な合理化という面では、考慮に入っているのかもしれません。

おわりに

編成数が限られてくることで、将来的に4両をどうしていくのかという点についても、気になる状況となってきました。
4両の予備車は最低限として、緊急時には6両から中間の2両を抜けるような車両を用意すれば、運用効率を上げることができそうですが、どのように対処していくことになるのでしょうか。