複々線の終端として、2面4線のホームを備える小田急の登戸駅。
この先も複々線化が計画されていますが、向ヶ丘遊園から登戸までの上り線を暫定的に線増した以外は、進展がない状態が続いています。

登戸の駅自体も、用地の関係で暫定的な完成状態となっていますが、周辺の建物が解体されたことで、一歩前進したといえそうです。

用地が確保された登戸駅の周辺

代々木上原から始まる小田急の複々線は、東京都を出て多摩川を渡り、神奈川県の登戸を出たところで終わっています。
以前は多摩川橋梁上で複々線が終わっていましたが、2018年に1番ホームの使用を開始し、現在の状態となりました。

こうして登戸の駅構内までが複々線となりましたが、用地の関係でホームは暫定的なものが新宿方に設けられ、細く強引な造りとなっています。
複々線化の効果を少しでも高めるためには、やむを得ない対応だったのでしょう。
暫定的なホームではあるものの、上屋やホームドアが設けられた状態となっており、ある程度長期の使用を見据えていることがうかがえます。

このような状態となった背景には、下り線の小田原方に建物が残っていたという事情があり、その部分を避けるためにホームを新宿方に延長することとなりました。
その後も建物は残ったままの状態が続いていましたが、2022年からビルの解体が始まり、現在は更地と表現できる状態になっています。

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建物が解体されたことで、不完全な駅の状態がよく見えるようになりました。
この場所の隣にもビルが残っていますが、そちらも解体の予定となっているようです。

複々線化までの遠い道のり

登戸周辺の用地が確保され、向ヶ丘遊園までの複々線化に向けては、一歩前進した状態となりました。
向ヶ丘遊園の周辺についても、一部を除いて用地の確保が済んでいるため、複々線化が進むのではないかと期待が膨らみます。

さて、用地の確保ができたとして、このまま複々線化がスムーズに進むのかというと、簡単ではない事情もあります。
複々線化は新百合ヶ丘までの予定となっており、計画上は向ヶ丘遊園も高架化が想定されているためです。

向ヶ丘遊園の新宿方にある踏切は、高架化に合わせて廃止し、高架下に道路を通す計画でしたが、線路を地上に残したまま廃止される予定です。
踏切の廃止後は、暫定的に歩行者の導線を確保するようですが、これがどのようなものとなるのかについても気になります。
複々線化を踏切の廃止に合わせて行う可能性は低そうですが、将来的な線増の可能性については、歩行者導線の設計で分かるのでしょう。

おわりに

高架化が想定される向ヶ丘遊園ですが、小田原方にある府中街道とのクロスをどうするのか等、気になることは沢山あります。
現実的には困難なように感じるものの、計画として存在している以上動きにくいのが、小田急としても苦しいところなのかもしれませんね。