数としてはそこまで多くないものの、丘陵地帯や盆地等を中心にトンネルが点在する小田急。
造られた時期により形態は様々ですが、その中に長さが約60mしかないトンネルが存在します。

第2菖蒲と名付けられたこのトンネルですが、周辺の地形を眺めてみると、造らずに線路を通すこともできそうに見えます。
なぜこのようなトンネルが生まれたのか、小田急が建設された当時の状況を元に考えてみたいと思います。
4ヶ所のトンネルのうち、3ヶ所については200mを超えるトンネルらしい長さがありますが、第2菖蒲トンネルだけは極端に短く、約60mしかありません。
車両は1両が20mですから、トンネルは3両分の長さしかないことになり、前後がトンネルから出ているような状態になってしまうほど短いのです。
トンネルがある場所は盆地であり、やむを得ず短いものを掘ったのかと思わされますが、少しルートを変えれば掘る必要はなさそうで、実際に道路がトンネルを通らずに並走しています。
さらに、トンネルの前後でわざわざカーブを描いており、素直ではないルートが選択されているようにも見えるのです。
地形の関係もあり、トンネルが必要な区間であることは間違いないものの、どうせ掘るのであればカーブを避けることも可能であると考えられ、短いことがより一層不思議に感じられます。
面白い風景を演出しているこのトンネルですが、意味もなく掘るとは考えられず、建設時に何らかの事情があって生まれたのでしょう。
それ以上に驚異的だったことは、工事の開始から開業までの期間が1年半以下で、とんでもないスピードで建設が進められたのです。
短期間で工事を終わらせるため、土を掘ったり盛ったりすることは極力避けられ、地形に逆らわずに線路は敷かれることとなりました。
このような事情があったことで、小田急は細かい勾配やカーブが多いという特徴があり、自然の中を右へ左へと走り抜けることにも繋がりました。
必要以上にトンネルを掘ることも避けたことになりますが、そうなると尚更短いトンネルの存在は不可解なものとなります。
昔の地図を眺めてみたところ、並走する道路も古くからあったようですが、山に沿って通されていたようです。
つまり、トンネルを掘らずに線路を通そうとした場合、山を削る必要があったと考えられ、それを避けた可能性があります。
もう一つの要素として、線路に沿って存在する川も関係したと考えられます。
仮にトンネルを掘ることを避けた場合、川を渡る鉄橋の数が増加するため、それも都合が悪かったのではないでしょうか。
山を極力削らず、鉄橋の数を最低限にして、かつトンネルも短くした結果が、第2菖蒲トンネルという存在を生み出したのかもしれませんね。
スピードが出せないというハンデを抱えてしまいましたが、自然の中を縫うように走ることは、風景を楽しむという要素をロマンスカーに与えており、現代では強みに変わったともいえそうです。
造られた時期により形態は様々ですが、その中に長さが約60mしかないトンネルが存在します。

第2菖蒲と名付けられたこのトンネルですが、周辺の地形を眺めてみると、造らずに線路を通すこともできそうに見えます。
なぜこのようなトンネルが生まれたのか、小田急が建設された当時の状況を元に考えてみたいと思います。
短すぎる第2菖蒲トンネル
地下区間等を除くと、小田急の小田原線には4ヶ所にトンネルがあります。4ヶ所のトンネルのうち、3ヶ所については200mを超えるトンネルらしい長さがありますが、第2菖蒲トンネルだけは極端に短く、約60mしかありません。
車両は1両が20mですから、トンネルは3両分の長さしかないことになり、前後がトンネルから出ているような状態になってしまうほど短いのです。
トンネルがある場所は盆地であり、やむを得ず短いものを掘ったのかと思わされますが、少しルートを変えれば掘る必要はなさそうで、実際に道路がトンネルを通らずに並走しています。
さらに、トンネルの前後でわざわざカーブを描いており、素直ではないルートが選択されているようにも見えるのです。
地形の関係もあり、トンネルが必要な区間であることは間違いないものの、どうせ掘るのであればカーブを避けることも可能であると考えられ、短いことがより一層不思議に感じられます。
面白い風景を演出しているこのトンネルですが、意味もなく掘るとは考えられず、建設時に何らかの事情があって生まれたのでしょう。
地形に逆らわずに敷かれた小田急線
小田急で最初の路線である小田原線は、新宿から小田原までを一気に開業して世間を驚かせました。それ以上に驚異的だったことは、工事の開始から開業までの期間が1年半以下で、とんでもないスピードで建設が進められたのです。
短期間で工事を終わらせるため、土を掘ったり盛ったりすることは極力避けられ、地形に逆らわずに線路は敷かれることとなりました。
このような事情があったことで、小田急は細かい勾配やカーブが多いという特徴があり、自然の中を右へ左へと走り抜けることにも繋がりました。
必要以上にトンネルを掘ることも避けたことになりますが、そうなると尚更短いトンネルの存在は不可解なものとなります。
昔の地図を眺めてみたところ、並走する道路も古くからあったようですが、山に沿って通されていたようです。
つまり、トンネルを掘らずに線路を通そうとした場合、山を削る必要があったと考えられ、それを避けた可能性があります。
もう一つの要素として、線路に沿って存在する川も関係したと考えられます。
仮にトンネルを掘ることを避けた場合、川を渡る鉄橋の数が増加するため、それも都合が悪かったのではないでしょうか。
山を極力削らず、鉄橋の数を最低限にして、かつトンネルも短くした結果が、第2菖蒲トンネルという存在を生み出したのかもしれませんね。
おわりに
短期間で建設を終えるため、結果としてカーブや勾配が多くなってしまった小田急。スピードが出せないというハンデを抱えてしまいましたが、自然の中を縫うように走ることは、風景を楽しむという要素をロマンスカーに与えており、現代では強みに変わったともいえそうです。
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