現在は箱根登山線内を中心に活躍し、7編成だけが残っている小田急1000形の4両編成。
4本が箱根登山線内の専用編成とされており、残りの3本は予備車としての立ち位置で、8両や10両の運用で使われています。

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昔に比べて、小田急で複数の編成を繋ぐケースは激減しており、最終的には消滅する可能性もあります。
4両の運用が少ない分、将来的には予備車をどう確保するのかという問題が生じますが、どのような対応策が考えられるのでしょうか。

予備車を確保する無駄が生じる可能性

未更新車の一部が廃車になったことで、1000形の4両は7編成の少数世帯となりました。
現在の小田急には、4両で走る列車がほとんどない状態となっており、箱根登山線内で使うために残されたといえるような状態です。

途中駅での分割併合が盛んだった頃は、4両と6両を編成の基準にしていた小田急ですが、現在は固定編成化を推進しており、複数の編成を繋いでいる状態を見る機会は激減しました。
小田急線内用として残っている3編成は、2本を繋いだ8両と、3000形と組んだ10両での使用機会がありますが、いずれも予備車に近い立ち位置となっています。
現状は丁度よい本数といえなくもないですが、中間部に先頭車が入ってしまうデメリットを考えると、最適解ではないともいえそうです。

1000形の4両は長く使われることになりそうですが、いつかは必ず置き換えの時期を迎えます。
今のような方法で次世代の予備車を確保するとは考えにくく、違った運用方法となる可能性がありそうです。

求められる効率的に予備車を確保する方法

箱根登山線内の設備が変化しない場合、これから先も小田急には必ず4両の編成が必要となります。
しかし、8両や10両での予備車という役割がなくなれば、4両は箱根登山線のためだけに必要な存在となってしまいます。

現在と同じ4運用だったとした場合、検査や故障で使えない編成がある場合のことを考えると、最低でも数編成の予備車が必要です。
仮に6編成を用意した場合でも、常に2編成は休んでいるため、稼働効率が悪い状態となってしまいます。

そこで考えられるのは、小田急線内にも4両で走る区間を設けることで、必要な編成数自体を増やす方法です。
総本数が多ければ、結果的に稼働効率は上がるため、予備車を確保しやすくなります。
一方で、輸送力が足りるのかという点では厳しい面も多く、簡単に決断できる方法ではありません。

もう一つ考えられる方法としては、フレキシブルに両数を変えられる車両を用意し、普段は別の運用で使うというものです。
普段は6両で走らせておき、必要な時だけ2両を外せるような編成があれば、効率的に予備車を確保することができます。
京成が編成車両数の変更が可能な新形式の導入を予定する等、近年はこのようなタイプの車両が増えつつあり、小田急でも検討する価値はありそうです。

おわりに

運用の効率化が図れる反面、固定編成化には柔軟性が失われるというデメリットもあります。
コロナ禍にはその問題点が目立った面もあり、今後の車両開発に影響を与える可能性もあるかもしれませんね。