小田急の江ノ島線内に入ると、駅名に林間と入る駅が続きます。
東林間、中央林間、南林間の3駅が存在しますが、これは開業当時に計画都市を開発する構想があったためで、今も名残として駅名に残っているものです。

20221016_01

3駅の中で最も相模大野寄りにあるのが東林間ですが、南林間が南に位置しているのに対して、東林間は北西に位置しています。
立地から考えれば、北林間や西林間という駅名がふさわしいように感じますが、なぜ東林間という駅名になってしまったのでしょうか。

東にはない東林間駅

実際に位置する方角と、駅名に入る東西南北が一致しないケースは色々とありますが、小田急の場合には東林間駅が該当します。
江ノ島線は北から南にほぼ一直線で向かう路線であり、駅も北から南に向かって並んでいるため、本来は東や西が登場することにも違和感があるのです。

林間都市計画の名残である3駅は、起点の相模大野寄りから順に、東林間、中央林間、南林間と名付けられており、開業時は後ろに都市と付いていたものが後に外されたものの、基本的な駅名は変わっていません。
相模大野を出てから最初の駅が東林間で、当然のことながら最も北に位置していますが、北林間とはされませんでした。
南林間という駅名に対するものとしては、北林間のほうが分かりやすいといえますが、そうはなっていないのです。

駅名を東林間としているため、3駅の中で最も東に位置しているのかといえば、それも当てはまりません。
東林間は3駅の中で最も西に位置しており、それを前提にすれば西林間が適切であり、ますます駅名の謎を深めています。

不思議すぎる駅名の謎

東林間は東に位置していないという事実は知られているものの、その理由については調べてもそれらしい事実が見つかりません。
何らかの理由があって東林間になったことは間違いないのでしょうが、解明されていないのでしょうか。

何か理由があるはずと考えてみたところ、私が思いついたのは駅の位置関係を示すものではなく、林間都市計画の位置関係を示しているのではないかという点でした。
駅は必ずしも中心にあるとは限らず、町の外れにあってもおかしくはなく、東林間の場合もそのようなケースなのではないかと考えました。

林間都市の計画に関係する資料に目を通すと、その可能性があることを示すものがあり、東林間だけは東側に大きく広がっているように見えます。
南林間については南西に広がっているため、イメージがよい南という方角を使用したのでしょうか。
これが理由であれば、南よりもイメージが劣る北を使うのは避け、東林間にしたとしても不思議ではないように思います。

いずれにしても、駅の位置関係ではなく、都市のほうの位置関係が使われているとすれば、駅名と方角が一致しないことは納得できます。
理由もなく東林間としないことだけは確かですが、真実がはどういったものなのかが気になるところです。

おわりに

駅の位置関係とは一致せず、北西にありながらも東林間とされた駅名。
その理由を記したものは、どこかに残されているのでしょうか。