地形に逆らわずに敷設され、カーブや勾配が多いことが特徴となっている小田急の小田原線。
建設時の工期を短くすることが目的でしたが、後にスピードの面で弱点を抱えることにも繋がりました。

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新宿から小田原までは82.5kmの距離がありますが、小田急は上がったり下がったりしながら走っています。
駅を基準とした場合に、どれぐらい標高の上下があるのでしょうか。

各駅の標高

小田急の小田原線に乗っていると、上がったり下がったり、時には曲がったりと、車両は目まぐるしく動いています。
乗客の立場になれば、カーブを走っているというのは分かりやすいものの、勾配についてはあまり意識しないかもしれません。

どこで上っていて、どこで下っているのか、まずはそれを確認してみたいと思います。
国土地理院で公開されている情報を参照し、駅の中心付近の標高を確認してみましょう。

少し長くなりますが、各駅ごとの標高を一覧にすると、以下のような結果となりました。

新宿:36.1m
南新宿:32.3m
参宮橋:28.1m
代々木八幡:21.8m
代々木上原:30.4m
東北沢:41.3m
下北沢:35.9m
世田谷代田:42.0m
梅ヶ丘:32.0m
豪徳寺:36.3m
経堂:38.5m
千歳船橋:42.2m
祖師ヶ谷大蔵:42.5m
成城学園前:43.6m
喜多見:23.3m
狛江:22.9m
和泉多摩川:22.9m
登戸:20.8m
向ヶ丘遊園:22.2m
生田:35.0m
読売ランド前:48.1m
百合ヶ丘:70.8m
新百合ヶ丘:59.4m
柿生:36.6m
鶴川:35.5m
玉川学園前:69.7m
町田:89.3m
相模大野:90.8m
小田急相模原:86.6m
相武台前:78.3m
座間:51.1m
海老名:21.5m
厚木:19.3m
本厚木:18.8m
愛甲石田:29.2m
伊勢原:34.7m
鶴巻温泉:20.8m
東海大学前:24.3m
秦野:95.3m
渋沢:165.3m
新松田:54.7m
開成:38.3m
栢山:28.2m
富水:21.7m
螢田:15.8m
足柄:11.5m
小田原:13.8m

独自の調査によるものですので、あくまでも参考情報としてご覧下さい。
小田急線内で最も標高が高いのは渋沢駅で、公式の標高は163mとなりますが、他の駅と比較して見ていくと興味深い点も多くあります。

でこぼこしている小田原線

起点の新宿を出発した小田原線は、代々木八幡にかけて下っていきます。
ここからが最初のでこぼことなっており、東北沢にかけて上っていくと、今度は下北沢にかけて下り、再び世田谷代田にかけて上ることとなりますが、下北沢という地名の由来を感じさせるような起伏です。

世田谷代田を出ると、今度は梅ヶ丘にかけて下りますが、その後はゆるやかに成城学園前まで上ることとなります。
成城学園前を出ると急勾配を一気に下り、喜多見から向ヶ丘遊園まではほぼ平坦な状態が続きます。
向ヶ丘遊園からは再び上りが続き、百合ヶ丘で頂上に到達しますが、最高点が駅構内となるのが面白いところです。

百合ヶ丘を出ると柿生まで下りが続き、ほぼ平坦な状態で鶴川へと到着、そこからは町田まで長い上りが続くこととなります。
町田から相模大野まではほぼ平坦な状態で、そこからは相武台前にかけてゆるやかに下ると、今度は海老名にかけて一気に下っていきます。
海老名から本厚木まではほぼ平坦ですが、ここからは山地に向かう雰囲気が漂い始めます。

本厚木を出ると、早速伊勢原にかけて上っていきますが、鶴巻温泉にかけて一旦下ると、今度は東海大学前にかけてゆるやかに再び上ります。
今度は小田急で最も標高が高い渋沢にかけて一気に上りますが、2駅で上っているのが面白いところで、でこぼこしているというのがよく分かります。

渋沢から新松田にかけて一気に下ると、最後は足柄にかけてゆるやかに下りが続き、少し上って終点の小田原に到着です。
その先は箱根登山線内へと続きますが、今度は上っていくということを考えると、かなりでこぼこしているのが分かります。

おわりに

駅ごとの標高で見た場合の上り下りであり、高架化や地下化で線路からは勾配がなくなっている場所もあります。
また、駅間の起伏は無視しているため、実際には細かい勾配も存在します。
このように簡易的に見るだけでも、小田急線内が起伏に富んでいることが分かり、頭の中で思い出しながら乗ってみると面白いかもしれませんね。