鶴川駅の橋上駅舎化に向けた工事が開始される等、年々地上駅舎が減っている小田急。
橋上駅舎化によるメリットは色々とありますが、地上駅舎のほうが優れている部分もあり、一長一短であるというのが実際のところかもしれません。

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小田急の中では少数派となってきた地上駅舎について、現状どれぐらい残っているのかを数えつつ、長所や短所についても考えてみたいと思います。

橋上駅舎化により減り続ける地上駅舎

昔は数多く存在した地上駅舎ですが、橋上駅舎化が進んだことで、小田急ではかなり少なくなりました。
定義がやや難しいところではありますが、地上駅舎らしさという視点で残っている駅をまとめると、以下の各駅が該当します。

【小田原線】
・参宮橋
・向ヶ丘遊園
・読売ランド前
・柿生
・鶴川
・鶴巻温泉
・新松田
・栢山
・富水
・螢田
・足柄

【江ノ島線】
・高座渋谷
・藤沢本町
・藤沢
・本鵠沼
・鵠沼海岸
・片瀬江ノ島

【多摩線】
・はるひ野

合計は18駅となりますが、参宮橋や鶴巻温泉のように、跨線橋から繋がる改札口が設けられるケースも出てきており、駅舎の形態も複雑化しつつあるというのが実情でしょうか。
橋上駅舎化が予定されている駅もあるため、地上駅舎は今後さらに減少することとなります。

地上駅舎の長所と短所

年々数を減らす地上駅舎ですが、橋上駅舎化によって得られるメリットを重視し、切り替えが進められてきたという経緯があります。
見方を変えれば地上駅舎と橋上駅舎の比較において、長所と短所は真逆の関係にあるともいえそうです。

地上駅舎における最大の長所は、相対式のホームを備える駅の場合、改札口からすぐにホームに到達できることがあげられます。
反対側のホームの場合には、跨線橋を渡る必要があるものの、上下線の両方に改札口がある場合には、移動距離が短くなるケースが多いといえます。

もう一つの長所として、ホームを覆う構造物が少ないため、駅全体が明るいという点もあげられます。
意外にこの効果は大きく、橋上駅舎と比較した場合、ホーム上の位置にもよりますが、かなり違いがあります。

一方で、橋上駅舎にも多くの長所があります。
改札や券売機等をまとめられ、駅員等の対応もしやすくなるのが、橋上駅舎のメリットといえるでしょう。
トイレも橋上駅舎上にあると便利ですが、上下線のどちらかのホームに設置されているケースもあり、この場合は改善の余地があります。

その他にも、自由通路が設けやすく、デッキ等にも繋ぎやすいといったメリットがあります。
上下線のどちらかにしか改札口がなかったような場合には、橋上駅舎化により移動距離が短縮される場合もあるでしょう。
これらの長所が地上駅舎では短所となる部分であり、橋上駅舎化が進むのは当然なのかもしれませんね。

おわりに

橋上駅舎化によるメリットが大きいため、年々地上駅舎が減るのは当然といえそうですが、目の前にあるホームに入るために、階段を使わなければいけないのは、少々心理的な負担があるのも事実です。
コストや人の滞留といった問題があるため難しいのでしょうが、橋上駅舎の場合においても、階段を使わずに出入りできる改札口を加えるのが、利用者の目線では便利なのかもしれませんね。