東京メトロやJR東日本と相互直通運転を行い、日常的に他社の車両が走る姿を見ることができる小田急線。
現在は各社から1形式が乗り入れに使われていますが、置き換えによって見ることができなくなった懐かしい車両も存在します。

今回の記事では、過去に時間を巻き戻しつつ、小田急に乗り入れたことがある車両を振り返ってみたいと思います。

日常的に走っていた他社の車両

小田急との乗り入れを行う鉄道会社で、長い歴史を持つのが東京メトロです。
相互直通運転は1978年から始まり、既に40年以上の月日が経過しました。

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まだ営団地下鉄と名乗っていた時代から、長く小田急に乗り入れていた車両が、日本の鉄道史に様々な影響を与えた6000系です。
個性的なデザインが印象的な車両で、2017年まで小田急線内を走る姿が見られました。
現在は全車両が廃車されており、千代田線内でも見ることができませんが、多くの編成がインドネシアへと渡り、活躍を続けています。

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東京メトロからは、変わり種の車両も乗り入れていました。
1編成しか製造されなかった06系という車両で、なかなか見ることはできず、かなり珍しい存在でした。
側扉の位置が特殊だったことや、1編成しかなかったことが災いし、2015年に廃車されています。

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現在は小田急の車両が乗り入れるのみとなりましたが、かつてはJR東海の車両が小田急に乗り入れていました。
371系という特急用の車両で、小田急の20000形(RSE)とタッグを組み、あさぎり号として活躍しましたが、相互直通運転の中止により小田急線内では見られなくなります。
その後は臨時列車等に使用されましたが、JR東海から富士山麓電気鉄道へと活躍の場を移し、現在も元気に走っています。

小田急の線路を走った様々な車両たち

今は見ることができませんが、他社から小田急に乗り入れていたケースも存在します。
多くの他社路線に乗り入れるようになった相鉄が、かつては海老名から本厚木まで小田急に乗り入れていました。
この乗り入れは1964年に中止されていますが、その後も復活を要望する声はあるようです。

乗り入れではありませんが、相鉄から車両を借り、小田急線内を走らせたこともありました。
同様のケースは国鉄とも行われ、戦時中や戦後の混乱期に多く見られたようです。

面白いケースとしては、台車の性能を確認するため、東急から7000系を借りて試運転をしたことがあります。
国鉄からは軌道検測用にマヤ34形を借り入れたこともあり、9000形と組んで小田急線内を走行しました。

おわりに

システムが複雑化したため、現代の鉄道では簡単に他社の車両を走らせることができなくなりました。
昔のような面白い事例はない世の中となりましたが、いずれ新たな世代の車両が仲間に加わるのでしょうね。