他の車両に比べて設定温度を高くし、冷房が苦手な乗客が利用しやすい環境を提供する弱冷房車。
小田急でも通勤型車両のほぼ全てに設定されており、車両にはそれを示す表示が掲出されています。

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現在は当たり前となった弱冷房車ですが、小田急においては、いつから導入されたのでしょうか。

各編成に設定されている弱冷房車

小田急における弱冷房車は、6両編成以上の通勤型車両に設定されています。
位置は小田原寄りから2両目となっており、2号車が設定車両です。
2号車が弱冷房車なのは車両の両数に関係なく共通で、6両、8両、10両、いずれの場合も小田原寄りから2両目となります。

弱冷房車の設定温度は28度で、通常の車両が26度となっていることから、2度の差があります。
実際に乗ってみると、冷房の効きが抑えられていることは明らかで、人によっては暑いと感じる程度になっているといえそうです。

ほぼ全ての車両に設定されている弱冷房車ですが、一部に例外も存在します。
4両で運行される車両と、それを2編成繋いだ8両が該当しますが、かなりの少数派といえます。
他社の車両については位置が異なり、東京メトロとJR東日本は4号車となっています。

小田急における弱冷房車のはじまり

現代では当たり前となった弱冷房車ですが、小田急ではいつから設定されるようになったのでしょうか。
日本で弱冷房車が登場したのは、1984年に京阪が採用したのが最初といわれており、その後他社にも広がっていきました。

小田急においては、1994年7月20日に弱冷房車の運用がスタートし、他の車両より設定温度を2度高くすることと、小田原から2両目に配置するという点は当時から変わりません。
登場当初は窓に弱冷房車の表示がされていましたが、2002年頃に扉上へと変更されています。

おわりに

上り列車においては、後ろの車両のほうが空いているため、それが2号車とされた理由かと思われますが、実際のところはどうなのでしょうか。
昔から他社の車両と位置が異なっており、今日まで統一の動きはありませんが、今後もこのままとするのかは気になるところです。