2019年10月1日からは小田急の完全子会社となり、湘南や鎌倉で事業を営む江ノ島電鉄。
江ノ電の愛称で親しまれる鉄道が有名ですが、観光業や不動産業も営んでいます。

そんな江ノ島電鉄ですが、かつては江ノ電百貨店という小売業も営んでおり、藤沢に店舗がありました。
短命に終わってしまった江ノ電百貨店は、どこにあったのでしょうか。

藤沢駅の南口にあるODAKYU 湘南 GATE

小田急の江ノ島線や、JR東日本の東海道線が通る藤沢駅の南口を出ると、正面に大きな建物が見えてきます。
ODAKYU 湘南 GATEと名付けられたその建物には、ペデストリアンデッキが繋がっており、2階から出入りすることが可能です。

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建物の外観はこのようになっており、現代的な名称に対して、やや古風な姿が印象的です。
解体工事が進められている、新宿駅にあった小田急百貨店の建物と似たような雰囲気を感じます。
建設時期に10年以上の差はないため、同年代と表現してよいのかもしれません。

この建物には、2階部分に江ノ電の藤沢駅が入っています。
小田急の町田駅と近い状態ですが、江ノ電は終点となっており、車両の長さも短いことから、駅自体が全て建物の中に入っているのが特徴です。

江ノ電百貨店から小田急百貨店へ

ODAKYU 湘南 GATEは、様々な専門店や図書館等が入るショッピングセンターで、小田急百貨店ふじさわも下層階を中心に営業しています。
2019年にオープンした比較的歴史が浅いショッピングセンターですが、元々は小田急百貨店の藤沢店で、時代に合わせてアップデートされたものです。

現在も営業する建物は1970年代に建設されたもので、元々は江ノ電百貨店としてオープンしました。
建物は現在と変わりませんが、エレベーター等がある部分は赤系の配色で、各所にアクセントカラーとして使われていたようです。
オープンの少し後には江ノ電の駅が移転し、現在に至る状態が造られていきます。

江ノ電百貨店の時代は長く続かず、営業譲渡によって1985年には小田急百貨店へと変わり、藤沢店を名乗ることとなりました。
昔訪ねた際に、新宿店や町田店とはどこか雰囲気が違うように感じましたが、出自の違いが影響していたのかもしれません。

おわりに

小田急百貨店となってからは、安定した状態が長く続きましたが、時代の変化により百貨店のみでの営業には限界があったのか、ODAKYU 湘南 GATEへと姿を変えることとなりました。
デパート特有の雰囲気が私は好きですが、昔のように営業を続けることは難しくなりつつあるのでしょうね。