新型コロナウイルス感染症の影響により、突然利用者が減少するという想定外の事態に直面した鉄道業界。
小田急も例外ではなく、通勤や通学に利用する人が減ったほか、観光客の激減にも見舞われました。

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そんなコロナ禍もようやく終わろうとしている中、小田急から2022年度の乗降人員が発表されました。
今日からの3日間は、各路線の乗降人員がコロナ禍前と比較してどの程度回復したのか、データを見ていきたいと思います。
1日目となる今日は、小田急の本線である小田原線をピックアップします。

小田原線の1日平均駅別乗降人員(2019年度)

コロナ禍の影響をほとんど受けていない2019年度は、訪日外国人がかなり多く、街中が活気に満ちていたのを思い出します。
私自身もそうですが、コロナ禍で生活スタイルが変わった人がいることから、2019年度の利用者数を今後超えることは、なかなか難しいのかもしれません。

運行される列車の本数が今よりも多く、様々な点で現在とは状況が異なる2019年度について、1日平均駅別乗降人員を確認してみたいと思います。
駅ごとにまとめると、以下のとおりとなります。

新宿:516,876人
南新宿:3,977人
参宮橋:14,612人
代々木八幡:20,580人
代々木上原:283,238人
東北沢:7,335人
下北沢:121,739人
世田谷代田:9,348人
梅ヶ丘:34,064人
豪徳寺:28,656人
経堂:82,540人
千歳船橋:60,683人
祖師ヶ谷大蔵:51,085人
成城学園前:88,692人
喜多見:34,207人
狛江:48,921人
和泉多摩川:15,751人
登戸:167,685人
向ヶ丘遊園:67,384人
生田:46,037人
読売ランド前:36,082人
百合ヶ丘:21,681人
新百合ヶ丘:128,155人
柿生:37,634人
鶴川:68,992人
玉川学園前:46,581人
町田:289,419人
相模大野:127,169人
小田急相模原:57,496人
相武台前:40,324人
座間:20,833人
海老名:152,370人
厚木:10,287人
本厚木:151,791人
愛甲石田:54,602人
伊勢原:51,705人
鶴巻温泉:14,963人
東海大学前:38,909人
秦野:42,011人
渋沢:27,175人
新松田:22,946人
開成:12,350人
栢山:8,589人
富水:6,796人
螢田:6,059人
足柄:3,893人
小田原:62,396人

新宿が50万人を超えているといったように、世界が大きく変わる前の日常が数字にも反映されています。
世界中が大騒ぎになった2020年度以降は、外出の自粛といった影響が色濃く反映され、乗降人員も大きく減少することとなりました。

小田原線の1日平均駅別乗降人員(2022年度)

日常が戻ってきたと感じつつあった2022年度の乗降人員が、小田急から発表されました。
電車も明らかに混むようになり、街中の雰囲気もだいぶ明るくなってきたように思います。

現時点では最新のデータとなる2022年度の乗降人員について、駅ごとにまとめた結果は以下のとおりで、括弧内は2019年度比となります。

新宿:410,970人(79.5%)
南新宿:3,588人(90.2%)
参宮橋:10,858人(74.3%)
代々木八幡:17,806人(86.5%)
代々木上原:237,023人(83.7%)
東北沢:7,086人(96.6%)
下北沢:112,116人(92.1%)
世田谷代田:9,041人(96.7%)
梅ヶ丘:30,091人(88.3%)
豪徳寺:24,471人(85.4%)
経堂:75,323人(91.3%)
千歳船橋:51,828人(85.4%)
祖師ヶ谷大蔵:43,037人(84.2%)
成城学園前:74,920人(84.5%)
喜多見:29,015人(85.8%)
狛江:41,774人(85.4%)
和泉多摩川:13,358人(84.8%)
登戸:146,926人(87.6%)
向ヶ丘遊園:51,916人(77.0%)
生田:40,976人(89.0%)
読売ランド前:29,962人(83.0%)
百合ヶ丘:19,802人(91.3%)
新百合ヶ丘:108,661人(84.8%)
柿生:31,978人(85.0%)
鶴川:57,563人(83.4%)
玉川学園前:39,653人(85.1%)
町田:246,459人(85.2%)
相模大野:110,249人(86.7%)
小田急相模原:49,416人(85.9%)
相武台前:33,753人(83.7%)
座間:17,715人(85.0%)
海老名:123,222人(80.9%)
厚木:17,749人(87.5%)
本厚木:114,922人(75.7%)
愛甲石田:40,799人(74.7%)
伊勢原:44,098人(85.3%)
鶴巻温泉:12,737人(85.1%)
東海大学前:32,462人(83.4%)
秦野:35,053人(83.4%)
渋沢:22,683人(83.5%)
新松田:19,352人(84.3%)
開成:11,766人(95.3%)
栢山:7,086人(82.5%)
富水:5,916人(87.1%)
螢田:5,416人(89.4%)
足柄:3,589人(92.2%)
小田原:53,079人(85.1%)

駅ごとに違いはあるものの、一時期に比べればかなり回復してきたことが分かります。
全体の平均値では83.8%となりますが、2023年度の輸送人員を2018年度との比較で小田急は-12%と予想しており、ここからもう少し回復するものとみられます。
いずれにしても、定期旅客の戻りが弱いため、ある程度はテレワークが定着した企業もあり、働き方等に変化があったものと思われます。

数ある駅の中で、最も健闘する結果になったのは、意外にも世田谷代田の96.7%でした。
フジテレビ系列で放映されたSilentというドラマが人気を博し、ロケ地となった世田谷代田は聖地巡礼の特需となり、それが数字にも大きく表れています。
東北沢についても同様の傾向となっており、96.6%で世田谷代田に続きました。

おわりに

元に戻るといった状況ではないものの、小田急の利用者はかなり戻ってきたといえます。
Silentのような成功事例もあり、今までとは違う取り組みをすることが、利用者を増やすことに直結しそうですね。
明日は江ノ島線の比較を行いたいと思います。