小田急から2022年度の乗降人員が発表されたことを受けて、路線ごとの回復状況を見ています。
3日目となる今日は、小田急の中で最も短い路線である多摩線をピックアップします。

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コロナ禍前と比較した場合、多摩線の乗降人員はどの程度回復したのでしょうか。

多摩線の1日平均駅別乗降人員(2019年度)

他の路線と同様、多摩線についてもコロナ禍の影響により、2020年度以降は利用者が大きく減少しました。
減便により日中は優等列車の運転がなくなっており、編成が長いという点を除けば、昔に戻ったように感じる時もあります。

以前は多くの優等列車が走っていた多摩線について、2019年度の1日平均駅別乗降人員を確認してみたいと思います。
駅ごとにまとめると、以下のとおりとなります。

五月台:10,192人
栗平:24,606人
黒川:8,731人
はるひ野:10,048人
小田急永山:31,056人
小田急多摩センター:51,315人
唐木田:17,207人

多摩ニュータウン内にある駅の利用者が多く、比較的低層住宅が多い神奈川県内については、栗平が他よりも多いのが目立つ程度です。
小田原線や江ノ島線に比べてどこか静かな多摩線ですが、利用者が減少したことで、コロナ禍以降はより一層のんびりした雰囲気になったようにも感じます。

多摩線の1日平均駅別乗降人員(2022年度)

減便により日中は1時間に6本の運転となった多摩線ですが、混雑自体は一時期より戻ってきました。
数字上はどの程度利用者が戻ってきているのでしょうか。

現時点では最新のデータとなる2022年度の乗降人員について、駅ごとにまとめた結果は以下のとおりで、括弧内は2019年度比となります。

五月台:8,982人(88.1%)
栗平:21,918人(89.1%)
黒川:8,303人(95.1%)
はるひ野:9,001人(89.6%)
小田急永山:26,493人(85.3%)
小田急多摩センター:43,358人(84.5%)
唐木田:13,716人(79.7%)

同じ支線である江ノ島線に比べて、駅ごとの回復度合いにはやや差が生じていました。
多摩ニュータウン内の回復が弱く、高齢化の進行により通勤需要が落ちつつあるのか、神奈川県内の駅とは結果が分かれました。

駅前に空き地が目立っていた黒川については、近年になって以前より開発が進んだ影響か、多摩線内で最も健闘している状況です。
今後は駅前に商業施設も建設されるようで、雰囲気が一変するかもしれません。

おわりに

路線の短さや沿線人口の増減が影響し、今後の多摩線には色々な変化がありそうです。
3日間に渡って各路線の回復状況を見てきましたが、それぞれに違った傾向があり面白いものですね。