現在は4社と直通運転を行い、他社の車両が自社線内も走行している小田急。
関東は直通運転が盛んな地域といえますが、他社が乗り入れ先を増やす中で、小田急は比較的それが少ない鉄道会社となっています。

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大手私鉄同士での直通運転も活性化しつつありますが、小田急はその流れに加わっておらず、比較的珍しい存在といえるかもしれません。

小田急と他社の直通運転

新宿から小田原までを結ぶ小田原線を中心として、小田急は3路線を営業しています。
支線は他社と線路が繋がっていませんが、小田原線は他社の路線と直通運転を行っており、運行パターンも若干複雑です。

相互直通運転を行う路線としては、東京メトロの千代田線と、その先で繋がるJR東日本の常磐緩行線があり、複々線区間を中心に乗り入れが行われています。
他社の車両も小田急線内を走行するため、バリエーションに富んだ車両が見られるのがこの区間の魅力です。

小田急からの片乗り入れとしては、グループ会社の箱根登山線と、JR東海の御殿場線があげられます。
後者は相互直通運転だった時期もあるものの、片乗り入れに戻ってしまいました。
JRグループの2社に乗り入れているのが面白い点で、全国的にも珍しいといえるでしょう。

大手私鉄と直通運転を行わない小田急

関東においては、大手私鉄同士での直通運転が活発化しており、様々な路線が乗り換えなしで行き来できるようになりました。
最近では相鉄が乗り入れ先を増やしており、海老名で様々な車両を見ることもできるようになっています。

小田急はこのような流れに加わっておらず、都心部と繋がる直通運転は限定的なもので、やや珍しい存在となりました。
関東の大手私鉄同士が、直通運転をしているケースはどれぐらいあるのか、改めて確認してみたいと思います。
大手私鉄の中には東京メトロが含まれますが、他社線と乗り入れることを前提としている路線が多く、地下鉄という特性もあるため外し、車両同士が乗り入れない場合も含むものとします。

大手私鉄同士が直通運転を行う相手先について、鉄道会社ごとにまとめると以下のとおりになります。

東武:東急・相鉄
西武:東急
京成:京急
京王:-
東急:東武・西武・相鉄
京急:京成
相鉄:東武・東急

東急の多さが際立ち、東武や相鉄が続いています。
小田急と同様に、大手私鉄と直通運転を行わないのは京王のみですが、井の頭線以外は1,372mmという特殊な軌間が採用されているため、無理もありません。
JR東日本と直通運転をしているとはいえ、小田急は少々特殊なケースとなっているようです。

おわりに

ほとんどメリットがなさそうですが、小田急と西武新宿線が直通運転をするという夢を見たことがあります。
地理上の問題もあり、小田急が他の大手私鉄と直通運転を行うことは、これからもなさそうですね。