平日と土休日に分かれ、曜日や祝日かどうかによってダイヤを変えている小田急。
ダイヤを変える理由は、通勤や通学の需要がどの程度あるかによるもので、平日はラッシュ時の輸送を最大化し、土休日はレジャーの移動を考慮したものとなっています。

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今では当たり前となった土休日ダイヤですが、かつては平日ダイヤと休日ダイヤで組まれており、土曜日は平日扱いでした。
小田急が土休日ダイヤを導入し、現在の組み方になったのはいつだったのでしょうか。

土曜日が特別なダイヤだった時代

土日が休み、週に休みが2日あるというのは、現代において一般的となっていますが、かつては日曜日だけが休みというような時代がありました。
休みが日曜日だけということは、土曜日もラッシュ時の混雑が激しいことを意味し、小田急は月曜日から土曜日までを平日ダイヤ、日曜日と祝日を休日ダイヤとして運行していました。

いつからそのようになったのかは定かではないものの、実際には平日、土曜日、休日の3パターンに分かれており、土曜日は平日ダイヤに対して、列車を増発したものとなっています。
増発する列車は午後に設定されており、半ドンで混雑する時間帯に運行され、土曜急行と呼ばれました。

今の小田急からは想像もできませんが、昔は1時間に4本しか急行が走っていない時間帯が多く、20分ほど間が空くタイミングがありました。
その合間には準急が挟まっていますが、利用する区間によっては後続の急行に追いつかれるといった使えない列車であり、その穴を土曜急行が埋めていたことになります。

小田急における土休日ダイヤの誕生

世間の動きが土曜日だけ特殊という状況は、週休2日制の広がりとともに変わりつつありました。
今は大企業を中心に完全週休2日制も定着し、土曜日と日曜日の差は小さくなったといえます。

世の中の変化に合わせ、小田急は1991年3月16日のダイヤ改正において、平日ダイヤと土休日ダイヤの組み合わせに変更を行いました。
土曜日は平日から休日扱いに変わり、長く続いた土曜急行という存在もなくなります。
このダイヤ改正の翌年には、公立学校でも第2土曜日が休みとなり、その後拡大していくこととなりました。

土休日ダイヤの誕生だけではなく、このダイヤ改正は大規模な増発が行われており、急行は1時間に6本の運行が基本となります。
各駅停車についても増発が行われているほか、平日のみだった営団地下鉄(現在の東京メトロ)千代田線との直通運転が、土休日においても開始されました。

おわりに

土日休みの人が増えた反面、土日以外が休みという人も昔より増えているのかもしれません。
平日と土休日ダイヤの差は、ラッシュ時とロマンスカーの本数が中心となり、昔ほど違いがなくなりつつあるともいえそうですね。