定期的に軌道や架線の検測を行い、安全な運行を陰で支える小田急のクヤ31形。
列車が運行している時間帯に検測を行うことが可能で、営業用の車両に牽引されて走行します。

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乗客が足を踏み入れることはないクヤ31形ですが、鉄道車両としての定員が設定されています。
通常の車両とは車内の様子がまるで違いますが、定員は何名となっているのでしょうか。

クヤ31形にも設定されている定員

2003年に製造され、2004年から運用されているクヤ31形は、牽引に対応する1000形と繋いで走行してきました。
1000形の未更新車が引退したため、現在は8000形がその役目を担っていますが、小田急は線路設備モニタリング装置の導入を予定しているため、クヤ31形の去就も注目されています。

事業用の車両であるため、乗客が入ることはないクヤ31形ですが、営業用の車両と同様にきちんと定員が設定されています。
鉄道車両で定員を意識する機会はあまりないと思いますが、いったい何名とされているのでしょうか。

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車両の定員は妻面に記載されており、普段目にする機会はほとんどありません。
クヤ31形の定員はたったの5名となっており、営業用車両が150名程度となることを考えれば、かなり少ないといえます。

車内には測定用の機器が並ぶため、広々とした空間があるとはいえない車両ですが、それにしても5名は少ないと感じます。
定員は座席等の数で決まるため、それがそのまま反映されているといえそうです。

クヤ31形には5名しか乗れないのか

かなり定員が少ないクヤ31形ですが、5名しか乗ることができないのかというと、そういうわけではありません。
鉄道車両に設定される定員は「サービス定員」と呼ばれ、通常の運行に支障がない人数を示しています。

多くの人にとって身近な乗用車では、定員を超えた人数を乗せると違反行為となりますが、構造上それ以上乗っては危険であることを示す「保安定員」であるためで、定員の前提が異なっているのです。
ラッシュ時の乗車率は200%等と表現されますが、定員の2倍となる乗客がいることを表しており、独特な表現といえるでしょう。

このような前提があるため、定員が5名のクヤ31形にそれ以上の人が乗ることは可能で、あくまでも数字上の問題ということになります。
そんなに多くの係員が乗ることもないのでしょうが、5名という数字はなかなか面白いといえますね。

おわりに

検測車という特殊性から、定員がたったの5名となっているクヤ31形。
実際に検測はしなくても、乗車体験ができるツアーを企画したら相当盛り上がりそうですが、簡単に実施できるものではないのかもしれませんね。