小田急にある駅の中で最も標高が高く、丹沢への玄関口にもなっている渋沢。
隣の新松田とは6.2kmも離れており、小田急線内で最長の駅間距離となっています。

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色々と特徴が多い渋沢ですが、接近メロディーにはZARDの曲が使われています。
使用開始から年月も経過しつつありますが、なぜZARDの曲が接近メロディーとして採用されたのでしょうか。

渋沢駅で使われる接近メロディー

特定の駅でのみ接近メロディーを使用する小田急ですが、渋沢ではZARDの曲が使用されています。
発車メロディーではなく、接近メロディーを使うのが小田急の特徴で、渋沢についても同様となっています。

渋沢で曲が使われているZARDは、1990年代から2000年代にかけて活動した音楽ユニットで、多くの名曲を世に残しました。
ボーカルの坂井泉水氏は亡くなってしまいましたが、生み出された名曲の数々は今も多くの方々に愛され続けています。

相対式ホームを備える渋沢では、上下線でそれぞれ違う曲が使われ、上りは「負けないで」、下りは「揺れる想い」となっています。
どちらも大ヒットナンバーとなっており、サビをアレンジしたオリジナルの音源が用意されました。

接近メロディーは2014年12月23日から使用を開始し、現在まで変更等はされていません。
渋沢の音としてすっかり定着しており、名物の一つになっているともいえそうです。

なぜZARDの曲が接近メロディーに使われているのか

丹沢の玄関口である渋沢という駅において、なぜZARDの曲が使われているのでしょうか。
ZARDといえばボーカルの坂井泉水氏ですが、彼女の出身地が神奈川県秦野市であり、所縁のある土地だったことが、接近メロディーに採用された理由です。

接近メロディーは秦野市の市制60周年を記念した事業によるもので、坂井泉水氏が通学等で渋沢を利用していたことから、使用駅として選定されています。

ファンや地元からの要望を秦野市が受け取り、関係者と協議のうえ実現したようで、使用する曲はアンケートを実施して選ばれました。
アンケートでは全国から多数の回答が寄せられ、ZARDが多くのファンから愛されていたことが、改めて証明される結果となったようです。

おわりに

出身地であるとはいえ、大ヒット曲を接近メロディーに採用するハードルは高かったと思われ、関係者の方々の熱意が実現へと繋がったのだと思います。
渋沢を訪れた際には、電車の到着前に流れる接近メロディーに耳を澄ましてみてはいかがでしょうか。