初代の引退から年数が経過し、2代目の5000形が登場した小田急。
現在までに120両が製造されており、以前よりも小田急線内で見かける頻度が高くなりました。

先代のイメージも色濃く残る5000形という形式ですが、生まれた時代が異なるということは、様々な違いがあることを意味します。
新旧の5000形を比較すると、どのような結果になるのでしょうか。

小田急を走る新旧の5000形

8000形や1000形の置き換え用として、2020年に5000形がデビューしました。
営業運転の開始日はコロナ禍に突入する真っ只中であり、少々かわいそうなタイミングでのデビューとなっています。

小田急には過去にも5000形が存在しており、同じ形式を名乗る2代目となりました。
国鉄の御殿場線に乗り入れていたキハ5000形という車両も存在しますが、気動車であるため別枠として扱っています。

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現在も走る新5000形は、2000形以来の拡幅車体を採用した車両で、小田急らしさを現代風にしたような設計となっています。
近年の車両にはなかったこだわりが詰まっている印象で、比較的利用者の評判もよいのではないでしょうか。

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一方の旧5000形はこのような車両で、かつては小田急を代表する形式であり、最多勢力となっていた時期もありました。
製造期間が長かったため、編成によって様々な仕様差があるという特徴があり、趣味的にも面白い車両だったことを思い出します。
バランスよくまとめられた車両となっており、急行を主体に使われつつも、小田急の全線で様々な運用が見られました。

旧5000形は2012年に引退し、新5000形は2020年にデビューしたことから、約8年後に形式が復活したことになります。

新旧5000形の比較結果

製造が開始された時期にはかなりの差がある新旧の5000形ですが、車両としての違いを比較するとどのようになるのでしょうか。
編成の両数が異なるため、旧5000形については4両と6両を繋いだ10両の状態を前提として、カタログスペックを中心に比べてみたいと思います。

旧5000形の更新前と、新5000形を比較した結果は、以下のとおりとなります。

【製造初年】
新:2019年
旧:1969年

【車体】
新:ステンレス鋼
旧:普通鋼

【前面貫通路】
新:なし
旧:あり

【戸袋窓】
新:なし
旧:あり

【冷房装置】
新:集中式
旧:集約分散式

【集電装置】
新:シングルアーム型
旧:菱形

【編成長】
新:200.8m
旧:200.0m

【全幅】
新:2,900mm
旧:2,900mm

【全高】
新:4,089mm
旧:4,125mm

【編成重量】
新:306.6t
旧:363.4t

【起動加速度】
新:3.3km/h/s
旧:2.4km/h/s(4両単独時)

【設計最高速度】
新:120km/h
旧:120km/h

【制御方式】
新:VVVFインバーター制御
旧:抵抗制御(バーニア制御)

【制動方式】
新:回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ
旧:発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ

【台車】
新:軸梁式ボルスタレス空気ばね台車
旧:アルストムリンク式空気ばね台車

【編成出力】
新:3,800kw
旧:3,240kw

【歯車比】
新:6.31(101:16)
旧:5.3(90:17)

【車内照明】
新:LED照明
旧:蛍光灯

【袖仕切板】
新:あり
旧:なし

全てを網羅できているとは思えませんが、分かりやすいものはこんなところでしょうか。
旧5000形の登場から50年後に新5000形が登場しており、偶然とはいえ面白い点といえます。

変わっていないところと、大きく変わったところがあるのが面白く、素材や機器、性能の面での進化が分かりやすく表れています。
車体のサイズのように、規格として定まってしまった部分は変化していない反面、編成重量は大幅に軽量化されていました。

記載したこと以外にも、探せば探すほど違いがあるため、そのあたりから50年の変化を見てみるのも面白そうです。

おわりに

50年の時を経て、新形式として新たに登場することになった5000形。
安定感があるという意味では、生まれ変わりいえる面もありそうですね。